行政処分取消請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成29(行ウ)451
判決日2018-05-24
分類行政
判決種別判決
判決文が挙げた条文憲法98条2項、行政事件訴訟法3条2項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点は,本件引渡請求の適否について行政事件訴訟を
提起して争うことができるかであり,これに対する当事者の主張の要旨は以下
のとおりである。
(被告の主張の要旨)
(1) 取消訴訟の対象となる「行政庁の処分」(行政事件訴訟法3条2項)と
は,公権力の主体たる国又は公共団体が法令の規定に基づき行う行為のう
ち,その行為によって直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定する
ことが法律上認められているものをいう。
本件条約の内容及びこれに基づく一連の手続を踏まえると,本件条約に基
づき,日本国が請求国としてした引渡請求は,被請求国である米国の権限あ
る当局を名宛人として,その職務権限の行使を依頼するものであるから,形
式的にも実質的にも,個々の国民を名宛人とするものではない。すなわち,
上記引渡請求は日本国内の行為になぞらえていえば,他の行政機関に対する
内部的な依頼に類似する行為であり,それ自体が個々の国民に対して何らか
の作用や法律上の効果を及ぼすものではない。
また,日本国が請求国としてした引渡請求に応じるか否かは,米国の権限
ある当局における本件条約の解釈と適用に委ねられており,当然に引渡しを
すべきことにはならないから,対象者に義務を課されるのが必然であるとは
いえない。
したがって,本件引渡請求は,その行為によって直接国民の権利義務を形
成し又はその範囲を確定することが法律上認められているものには当たらな
い。
(2) 日本国の刑事訴訟手続においては,逮捕に対する不服申立ては許され
ず,勾留請求の段階で逮捕の適否に係る司法審査を受けることが予定されて
いるところ,本件条約に基づく日本国を請求国とする引渡請求は,同請求に
係る被疑事件について,米国に所在する被疑者の日本国への引渡しを受ける
ことにより,日本国で発付された逮捕状の執行を可能ならしめるものであっ
て,いわば日本国における逮捕手続の補完としての性質を有する。
日本国による本件条約に基づく引渡請求がされた場合,専ら米国における
司法審査やそれが認められて引渡しが行われた後の日本国の刑事手続での司
法審査が予定されているにすぎず,それ以外に,行政事件訴訟において逮捕
手続の適否や日本国の国内法に照らし犯罪を行ったと疑うに足りる相当な理
由があるか等について司法審査を行うことなどは予定されていないから,本
件引渡請求の適否について,行政事件訴訟として訴えを提起することは認め
られないというべきである。
(原告の主張の要旨)
(1) 本件引渡請求は,形式的には米国の権限ある当局を名宛人としているも
のの,原告という特定の個人を名指しして,その身柄を仮拘禁した上で請求
国に送還することを求めるものである。そして,本件条約の下では,被請求
国において,請求国における請求行為の適法性や当否を審査することは

主文(判決文より)

1 本件訴えを却下する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。