損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成28(ワ)41720
判決日2018-05-31
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文民法709条、特許法102条3項、特許法106条

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
(1) 緊急地震速報は本件発明の技術的範囲に属するか(争点1)
ア 文言侵害の成否(構成要件(1)ないし(5)の充足性)
イ 均等侵害の成否(「震度」と「マグニチュード」との相違について)
(2) 本件特許に係る無効理由があるか(争点2)
ア 特開平6-331753号公報(乙25,以下「乙25文献」という。)
に記載された発明(以下「主引用発明」という。)からの進歩性欠如の有無
イ 明確性要件違反の有無
ウ 実施可能要件違反の有無
エ サポート要件違反の有無
(3) 原告の損害額(争点3)
(4) 信用回復措置としての謝罪広告掲載の必要性があるか(争点4)
3 争点に対する各当事者の主張
(1) 争点1(本件発明の技術的範囲への属否)について
【原告の主張】
ア 構成要件(1)について
緊急地震速報における地震計から出力される「観測点番号」は,「位置」の
データにほかならない。すなわち,地震計の位置に対応する観測点番号(例
えば,1,2,3,・・・の番号)が付与されているのであって,観測点番号
がデータ処理時に対応する位置データに変換されることが前提である。した
がって,「位置」のデータは出力されており,緊急地震速報は,本件発明の構
成要件(1)を充足している。
イ 構成要件(2)について
「震源」は「地震のおこった場所」という広い幅を持たせた意味でも使わ
れる。そして,「震度」が「ある場所における,地震による地面の震動の強さ」
を意味するとき,この「震度」を修飾する「震源の」は,地面の震動の強さ
を修飾しているから,「震源」を地中に限定した意味で理解するのではなく
意味が通じるように「地震の起こった場所」という意味で理解すべきである。
そうすると,「震源の震度」とは,「地震の起こった場所の地面の震動の強さ」
という意味になり,これは,要するに「震源付近の震度」のことである。「震
源の震度」を以上のように意味が通じるように理解することは自然なことで
ある。したがって,「各地域の予想震度」の中には「震源の震度」又は「震源
付近の震度」も含まれるものである。
また,被告は,構成要件(1)に関する主張において,「緊急地震速報におけ
る地震計」から「震度」のデータが出力されることを否定してはいない。そ
して,乙4には,「前述の処理により得られた震源と各観測点の最大振幅を
用いてマグニチュード(M)計算を行う。」と記載されており(6頁「(2)マ
グニチュード(M)計算方法」),「マグニチュード」の情報には,「震度」の
情報が含まれるものである。要するに,「震度」も「マグニチュード」も,「最
大振幅」のデータを元にして加工して得られるデータであることに変わりは
ない。
以上によれば,緊急地震速報は,本件発明の構成要件(2)を充足している。
ウ 構成要件(3)につい

主文(判決文より)

1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。