手続却下処分取消請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成29(行ウ)559
判決日2018-08-30
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文特許法8条、特許法48条、特許法184条

この事件の代理人

争点(判決文より)

本件の争点は,原告が本件期間内に出願審査の請求をすることができなかった
ことにつき,特許法48条の3第5項所定の「正当な理由」があるか否かであり,
この点に関する当事者双方の主張は次のとおりである。
[原告の主張]
「正当な理由」の解釈について
「正当な理由」とは,相当な注意を払っていたにもかかわらず期間の不順守
が生じた場合をいう。
⑵ 原告が相当な注意を払っていたこと
ア 本件では,原告の現地代理人B(以下「本件現地事務所」という。)が,本
件国内事務所に対し,平成28年4月1日,本件特許出願について出願審査
請求をするようメールで指示したところ,本件国内事務所の所内のサーバー
及びメールサーバーが同年3月28日から同年4月4日までの間,ウイルス
感染により使用不可能な状況となっていたため,本件国内事務所において上
記メールを受信することができず,本件期間を徒過することとなった。
イ 本件現地事務所の所在する(住所省略)においては,郵便事情が不安定で
あるなどの事情から,メールの方法による連絡に高い信用が置かれている。
また,従前,本件現地事務所が本件国内事務所に対して,出願審査の請求手
続を指示するメールを送信後,同メールの到達を確認するという手順を踏ん
でいなかったが,特段の問題がなかった。したがって,本件現地事務所にお
いて,出願審査の請求手続を指示するメールを送信後,同メールの到達を確
認しなかったことには相応の理由があり,相当な注意を払ったことに変わり
ない。
また,前記のとおり,従前,本件現地事務所が本件国内事務所に対して,
メールの到達を確認するという手順を踏んでいなかったが,特段の問題がな
かったという事情からすれば,本件現地事務所が,出願審査の請求手続が問
題なく進んでいると信頼したことには相応の理由があり,本件期間を徒過す
る前に確認しなかったことは,やむを得ないといえ,これをもって相当な注
意を払っていないとはいえない。
ウ 本件国内事務所が感染したウイルス「ランサムウェア」は,新種のもので
突発的であったということができ,このことから,本件国内事務所において,
「ランサムウェア」に対応するウイルスソフトを事前に導入しておくことは,
そもそも困難であった。
また,本件国内事務所は,元々,国内移行の段階で審査請求を行う日にち
の指示がない場合には,出願審査請求期間満了の1か月前までに指示するよ
う本件現地事務所に依頼しており,逐一その旨を連絡する運用ではなかった
から,本件期間満了の1か月前までに指示を求めた事実がないとしても,本
件国内事務所が相当な注意を払ったことに変わりない。
さらに,ウイルス感染により本件国内事務所のパソコンが使用不可となっ
たのは,平成28年3月28日からであり,本件国内事務所が本件現地事務
所に本件期間を平

主文(判決文より)

1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
3 この判決に対する控訴のための付加期間を30日と定める。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。