自殺幇助被告事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成30刑(わ)1082
判決日2018-09-14
分類民事

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点に対する判断)
弁護人は,被告人が本件で行った外形的行為は争わないとしつつ,被告人の行
為は自殺幇助罪の構成要件には該当せず,被告人は無罪である旨主張し,被告人
もこれに沿う供述をするので検討する。
自殺幇助罪における自殺幇助とは,既に自殺の決意を有する者に対し,自殺の
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方法を教え,器具手段を供与する等して,その遂行を容易にすることをいい(大
判大正11年4月27日・刑集1巻4号239頁参照),自殺行為を容易ならし
めた以上,それが積極的手段たると消極的手段たると,また,物理的手段たると
心理的手段たるとを問わないと解される(東京高判・昭和30年6月13日・判
特2巻12号597頁参照)。弁護人は,自殺幇助は,類型的に死亡の結果を物理
的に直接促進する行為に限られる旨主張するが,判例,通説に反する独自の見解
であって,採用できない。
そして,本件における被告人の行為は,自殺の決意をしたAからの依頼を受け,
共犯者であるBと手分けをし,予め,自殺後に遺体が流されたりしないようにす
るためのウェイト及びウェイト用ベルト,ロープ,ハーネス等を購入して準備し
た上,自殺当日は,Bが運転する車に同乗してAを決行場所の近くまで送り届け,
その間,Aの身体に上記ハーネスを装着させるなどした上,Aに同行して現場ま
で赴き,上記ハーネスとつながるロープを立木に繋ぐとともに,Aの身体にウェ
イト及びウェイト用ベルトを装着するなどしたもので,Aの自殺を心理的あるい
は物理的に容易にするものとして自殺幇助に該当することは明らかというべき
である。
この点,弁護人は,被告人らが準備した道具は,死体の発見を容易にするため
のもので,溺死という結果を促進する効果を持たないから自殺を物理的に幇助し
たとはいえないし,Aの自殺の意思は強固であったから,被告人らが道具を準備
する行為は心理的に自殺を幇助したともいえないと主張する。
しかし,被告人の供述によっても,Aは,単に多摩川で入水自殺すればよいと
考えていたのではなく,自殺後はできるだけ早期かつ確実に遺体を発見してもら
い,家族が遺体を見た際にできるだけ嫌な思いをさせたくないと考え,上記のよ
うな道具の準備を頼んできたというのであって,こうした道具の使用は,Aが思
い描くような自殺(Aがいうところの「自裁死」)を遂げるための不可欠の要素と
いうべきである。そうすると,これらの道具を準備し,使用できるようにする行
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為は,Aが心置きなく自殺を遂げることができるようにするという意味で,Aの
自殺を心理的に容易にするものといえ,それはAの自殺に対する意思が強固であ
ったとしても変わらない。また,Aの代わりにこれらの道具を購入した上,重度
の頚椎症性脊髄症のため細かな作業や重量のある物を持つことができないAのた
めにその

主文(判決文より)

被告人を懲役2年に処する。
この裁判確定の日から3年間その刑の執行を猶予する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。