事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成21(ネ)2465 |
| 判決日 | 2010-05-21 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 民法709条 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点,争点に関する当事者の主張は,原判決「事実及び理 - 2 - 由」第2の1(2),(4)イ,3(2),(4),第3の3,4,5,10のとおりである。 3 当審において当事者が追加補充した主張 (1) 角隅部の形状の相違と容易創作性について (控訴人) 引用意匠3の角隅部にはすべて上下方向及び左右方向の平坦面がそれぞれ設けら れており,凸曲面には造形されていない。これは,もとは完全な4角形であったも のが,係止用凹曲面に相当する部位を抉り取られて最終的形状が形成されたような 印象があり,看者の目には,4つの角隅部の各平坦面はその名残であるかのように 映り,全体的に荒削りでゴツゴツとしたいかつい印象を与えている。 本件登録意匠1は,4つの角隅部の曲率半径及び4辺面の係止用凹曲面の深さ・ 長さ・曲率半径を工夫することによって,各角隅部や4辺面のどこにも平坦面や角 を存在させないようにした曲面の構成のみからなる。これは,係止用凹曲面を抉り 取った印象はなく,滑らかな輪郭線により角隅部と係止用凹曲面とがバランスよく 調和しており,全体的に丸味を帯びた滑らかなデザインとなっている。 鉄筋用スペーサーの使用態様からして,角隅部に平坦部が存在するか否かによっ て,壁面表面に露出する大きさないし面積が大きく変わる。つまり,角隅部に平坦 部が存在しない場合は,コンクリート固化後の壁面表面に表れる部分は線にすぎな いが,角隅部に平坦部が存在する場合は,コンクリート固化後の壁面表面に表れる 部分は一定の広がりを有する面となる。特に近年増えている「コンクリート打ちっ 放し」工法によれば,型枠パネルに接していたコンクリート面がそのまま壁面表面 として用いられることになるから,角隅部の形状の意匠的意義は大きい。 したがって,両意匠は美感の上で明らかに相違している。 (被控訴人の反論) 引用意匠3の角隅部の輪郭は,凸曲面に造形されている。引用意匠3の凸曲面と 凹曲面との間の平坦面は僅かであり,数字「85」と「100」の間に位置する凸 曲面の両側には平坦面がない。 - 3 - 控訴人は,本件登録意匠出願経過において,本件登録意匠1が登録第73956 7号意匠に類似しないという意見書(甲17)を提出しており,本件登録意匠1が 各角隅部や4辺面のどこにも平坦面や角を存在させない態様を有することが新規な 態様でないことを,本件登録意匠1が登録査定を受ける以前から知っていたもので ある。また,控訴人は,同意見書で,コンクリートブロックの偏心部に一対の結束 用金属線材受け入れ孔が貫通形成されている点及び鉄筋係止用凹曲面の底部とほぼ 対応する合計4箇所に位置する3種の陥没数字が賦形されている点が本件登録意匠 1の特徴であることを表明し,本件登録意匠1について登録査定を得たものである。 したがって,結
主文(判決文より)
本件控訴を棄却する。 - 1 - 控訴費用は控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。