事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成29(行ウ)140 |
| 判決日 | 2019-01-15 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 行政事件訴訟法19条1項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は,原告が支援法にいう「中国残留邦人等」に当たるか否かであ り,この点についての当事者の主張の要旨は,次のとおりである。 (原告の主張の要旨) (1) 「本邦に本籍を有していた」の非要件性 ア 支援法2条1項1号に定める「同日(引用者注:昭和20年9月2日) において日本国民として本邦に本籍を有していた」との文言のうち,「本 邦に本籍を有していた」とあるのは,昭和20年9月2日において日本国 籍を有していたという要件(以下「国籍要件」という。)の存在を確認的 に規定したものにすぎず,国籍要件とは別個独立の要件として,同日にお いて戸籍の記載事項の一つである本籍が本邦にあったこと(以下「本籍要 件」という。)を必要とするものと解すべきではない。 イ 戸籍との関係等 本籍とは,人の戸籍上の所在場所であり,本籍を有するとは,すなわち 戸籍を有することである。そして,戸籍とは,日本国民の身分関係を登録 し公証する公文書であるところ,戸籍以外の手続ないし方法により,日本 国籍を有する実体を証明することができるのであれば,行政手続において, その証明方法を戸籍に限る必要性はない(例えば,行政実務において,旅 券は日本国籍を公称する公文書として戸籍にもまして利用されている。)。 また,戸籍法が適用される日本国籍を有する者の戸籍の所在が「本邦」で あることは当然であり,「日本国民として本邦に本籍を有していた」とい う場合の「本邦」は,日本国民又は本籍の修飾語句にすぎず,独立した意 味はない。したがって,「日本国民として本邦に本籍を有していた」とは, 国籍法上の日本国籍を有するとの実体要件に,日本国籍を有するのであれ ば戸籍法上本邦に本籍を有しているはずであるという手続要件を建前と して付加したにすぎず,結局のところ,日本国民であったことという国籍 要件のみに帰着する。 また,日本国籍を有する者は,戸籍法上,戸籍を有するべきとされてい ることからすれば,「日本国民として本邦に本籍を有していた」とは,日 本国籍を有していたこと,したがって,事実は措き,戸籍法上本籍を有し ていたはずであること,との趣旨をいうものと解すべきである。 ウ 支援法の目的 本籍を有していない者には,①日本国籍を有しない者と,②日本国籍を 有するが本邦に本籍を有していない者の2類型があるところ,支援法が, 「今次の大戦に起因して生じた混乱等により本邦に引き揚げることがで きず引き続き本邦以外の地域に居住することを余儀なくされた」という事 情のみに鑑みて,帰国促進及び自立支援を行うことを目的としていること (支援法1条)からすれば,戸籍の有無やその記載内容をもって,帰国促 進ないし自立支援の要否を区別していることはあり得ず,支援法が,上記 ②の者を支援措置の対象から排除する趣旨であるとは解されない
主文(判決文より)
1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。