事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成29(行ウ)584 |
| 判決日 | 2019-02-20 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は,本件交通事故に係る救護義務違反の成否である。 (1) 被告の主張 ア 本件車両が,約10㎞毎時の速度で,Aがまたがっていた相手方車両の 左側面に衝突し,Aが本件車両のボンネットの方に背面から倒れ込んだな どの本件交通事故の状況からすると,通常の運転者であれば,本件車両の - 3 - 前部がAの左足部を直撃した可能性が高いと考えるのが自然であるし,A は相当程度の衝撃を受け,上半身の捻挫などの傷害が生じた可能性も疑わ なければならない状況であった。また,原告は,平成28年7月1日の本 件交通事故に係る取調べ(以下「本件取調べ」という。)において,「バイ クの運転手が怪我をしていると思いました」と供述していた。これらの事 情によれば,原告は,本件交通事故が発生した時点において,Aが負傷し ていることについて,少なくとも未必的に認識していた。それにもかかわ らず,原告は,本件車両を停止させることなく,本件車両を右後方に後退 させ,本件車両を急発進させてその場を立ち去ったものであり,救護義務 違反が成立する。 イ 原告は,原告が本件交通事故後に逃走したのは,やむを得ずにした緊急 避難的行為であった旨主張するが,理由がない。 すなわち,第1事故の際のAからの暴行についての原告の供述は変遷が あり信用することはできず,Aから原告が主張するような暴行を受けた ことを認めることはできない。また,原告は,本件交通事故後,Aが本 件車両の方に向かってくる前に,本件車両の後退を開始しているから, 原告の主張は客観的状況に反している。仮に,第1事故の際にAが本件 車両の運転席側のドアガラスをたたくなどの行為に及んでいたとしても, その行為は素手で,本件車両に接触痕が残らない程度のものであり,本 件交通事故後も原告がドアガラスを開放することなく,本件車両内にと どまっていたことからすれば,本件交通事故の直後,Aが本件車両の運 転席の方に向かってきたという事情をもって,原告の身体への危険が現 実化した状態に至っていたとはいえない。また,原告は,本件交通事故 の現場において,110番通報及び119番通報をするなどの措置を講 じることが不可能であったとはいえず,原告の逃走行為について,「当該 避難行為をする以外には他に方法がなく,かかる行為に出たことが条理 - 4 - 上肯定し得る場合」(最高裁昭和24年5月18日大法廷判決・刑集3巻 6号772頁参照)に該当しない。 よって,原告の救護義務違反につき,緊急避難は成立しない。 ウ 本件交通事故に係る原告についての被疑事件が不起訴処分となっており, 原告とAとの間で示談が成立していたとしても,行政処分と刑事処分は, その性質,目的,主体等を異にする別個独立のものであって,行政庁は刑 事処分の結果に拘束されることなく,独自の立場と
主文(判決文より)
1 東京都公安委員会が平成29年4月7日付けで原告に対してした運転免許取 消処分を取り消す。 2 訴訟費用は被告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。