事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成29(ワ)27741 |
| 判決日 | 2019-02-28 |
| 分類 | 民事 / 著作 |
| 判決種別 | 判決 |
| 当事者 | 原告 グランドキャニオンエンタテインメント株式会社/被告 株式会社オンリー・ハーツ |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点 ⑴ 本件タイプフェイスの著作物性の有無(争点1) ⑵ 本件タイプフェイスの著作者(争点2) ⑶ ライセンス(利用許諾)の抗弁の成否(争点3) ⑷ 被告の故意ないし過失の有無(争点4) ⑸ 原告の損害(争点5) 3 争点に関する当事者の主張 ⑴ 争点1(本件タイプフェイスの著作物性の有無)について [原告の主張] ア 本件タイプフェイスが著作物性を有するかどうかの判断をするにあたっ ては,タイプフェイスがそれぞれの文字相互に統一感を持たせるように大き さや太さをデザインしているものであるから,個々の文字をそれぞれ独立に 見て判断するべきではない。 イ 本件タイプフェイスに著作物性が認められるかどうかについては,本件タ イプフェイスがどのようなコンセプトを元にデザインされたものかを考慮 しなければならない。 ウ 本件タイプフェイスのうち,「シ」「ッ」などの文字は,2つの点を繋いで 1本の曲がったラインで表現することにより文字の流れを演出しているも のであって,このような表現方法を使用している点で美的創作性を感得でき る。 本件タイプフェイスのうち「ス」については,構成するラインを水平及び 垂直に交わるように組み立てをし(「コ」に2画目を付けたものでない),全 体を20度傾けることでカタカナの「ス」であることがよく分かる構造とな っている。この点でも美的創作性を感得できるものである。 本件タイプフェイスのうち,その他の文字については,線が交わる部分を 曲線にする手法,及び横画に細い線,縦画に太い線を用いるという手法を巧 みに組み合わせて全体の統一感を持たせたうえで美的創作性を生じさせた ものである。 これらのことからも分かるように,本件タイプフェイスは,従来ある書体 をベースとしてアレンジを加えて制作されたものではなく,それぞれの文字 の形から原告の独創的なアイデアを加えて従来ある書体とは一線を画する 顕著な特徴を有するものとして創作されたものであり,本件タイプフェイス 自体が美術鑑賞の対象となり得る美的特性を備えている。 したがって,本件タイプフェイスには著作物性が認められる。 [被告の主張] ア 原告は,著作物性の判断において,被告が利用していない文字を考慮すべ きであると主張する。しかし,複製権侵害の成否は,複製された部分につい ての著作物性の有無によって判断すべきであり,被告により複製されなかっ た部分の著作物性は,複製権侵害の成否には影響しない。特に,タイプフェ イスは,文字を選択し,並べ替えて利用することが想定されており,もとも と各文字が可分なものとして制作されているから,文字ごとに著作物性を判 断すべきであり,ある文字の著作物性に他の文字の著作物性が影響すると考 えるべきではない。 イ また,原告は,「本件タイプフェイスに著作物性が認められる
主文(判決文より)
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。