事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成29(行ウ)263 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 (1) 原告が法19条の2第2項に規定する「指定医として著しく不適当と認 められるとき」に該当するか否か(処分要件該当性の有無) (2) 原告につき指定医の指定の取消しの処分としたことの適否(処分選択の 適否) (3) 手続的違法の有無 - 3 - 4 争点に関する当事者の主張の要旨 (1) 争点(1)(処分要件該当性の有無)について (被告の主張) ア 本件診療録及び本件処分時までに提出された資料等において,本件症例 につき原告の氏名の記載がされているのは,本件診療録(乙3)の「傷病 名情報」の登録者の部分及び「看護記録(ワークシート)」(乙13)の 一部のみであり,本件診療録中の具体的な入院経過に係る部分には,原告 による診療等に関する事項はおろか原告の氏名の記載も全くないところ, 医師の診療等への関与の有無や内容は,原則として診療録の記載内容から 判断されるべきであることに鑑みると,原告が本件症例について自ら担当 として診断又は治療に十分な関わりを持ったとは認められず,そのような 本件症例について本件ケースレポートを作成・提出したという原告の行為 は,不正な行為であるから,法19条の2第2項に規定する「指定医とし て著しく不適当と認められるとき」に該当する。 イ 原告は本件症例の診断や治療に関与しており,本件診療録に氏名が記載 されていないことをもって関与がないとはいえない旨の主張をするが,本 件診療録に自己の氏名が記載されていない理由についての原告の供述が変 遷していることや,本件診療録には,原告以外の医師については診療録を 記載した医師以外の医師による発言や診療内容が当該医師の氏名と共に記 載されていることなどからすれば,原告が本件症例の診断や治療に関与し ていたとは認められない。 (原告の主張) ア 本件病院の精神科病棟では,精神科10年目以上の医師が務める「主治 医」のもと,精神科3,4年目以上の医師が務める「指導医」(指定医事 務取扱要領にいう指導医とは異なる。),精神科1,2年目の医師・初期 研修医が務める「受持医」が共に診療を行うというチーム診療体制が採ら - 4 - れていた。 原告は,本件症例については,精神科4年目の「指導医」としてその診 療に関与しており,具体的には,患者に対する神経診察を実施し,せん妄 の症状が出現する他の疾患や脳神経系の異常との鑑別をして,アルコール 離脱せん妄という確定診断を行い,患者のCPK値の上昇への対応といっ た脱水等の身体合併症に対する治療や精神薬の調整を行い,アルコール依 存症に対する精神療法として動機付け面接という手法による面接を実施し ており,こうした原告の本件症例への関与は,本件症例の要点を十分に理 解し,その要点を押さえた診断及び治療であるといえ,原告は,本件症例 について自ら担当とし
主文(判決文より)
1 厚生労働大臣が平成28年10月26日付けで原告に対してした, 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律19条の2第2項に基づ き同年11月9日をもって精神保健指定医の指定を取り消す旨の処 分を取り消す。 2 訴訟費用は被告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。