在外日本人国民審査権確認等請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成30(行ウ)143
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文国家賠償法1条1項、憲法15条1項、憲法79条4項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
⑴ 本件地位確認の訴えが適法か否か
⑵ 本件違法確認の訴えが適法か否か
⑶ 在外国民に対する国民審査における審査権(以下「国民審査権」というこ
とがある。)の行使制限が違憲,違法であるか否か
⑷ 原告らの国家賠償請求の成否
4 争点に関する当事者の主張
⑴ 本件地位確認の訴えが適法か否か(争点⑴)
(第1事件原告らの主張)
ア 在外国民は国民審査権を行使することができる地位にあること
国民審査権は,憲法15条1項,79条2項及び3項等によって国民
に保障された権利であり,国民審査について,「審査に関する事項は,
法律でこれを定める。」とした憲法79条4項の規定を受けて,国民審
査法4条は,「衆議院議員の選挙権を有する者は,審査権を有する。」
と規定し,衆議院議員の選挙権を有する者,すなわち満18歳以上の全
ての日本国民に国民審査権を行使させることを確認しており,在外国民
であっても,満18歳以上であれば,国民審査権を行使することができ
る地位にある。
国民審査法8条は,「審査には,公職選挙法(昭和25年法律第10
0号)に規定する選挙人名簿で衆議院議員総選挙について用いられるも
のを用いる。」と規定するが,この規定を在外国民の国民審査権の行使
を制限するものと解することはできない。
国民審査法8条は,国民審査権の行使の手続を定める規定であり,在
外国民の権利行使の機会を奪うものではない。国民審査権は,憲法によ
って国民に保障され,国民審査法4条がその権利行使の主体を規定して
具体的な権利として付与したものであり,同法のその他の規定はこの権
利を行使するための手続を定めるものであって,権利自体を剥奪したり,
その行使の機会を一切奪ったりするような規定を置くことは原則として
許されない。仮にそのような規定を定めることが許容されるとすれば,
そのような制限をすることなしには審査の公正を確保しつつ審査権の行
使を認めることが事実上不能ないし著しく困難であると認められる場合
でなければならない。しかるところ,在外国民の権利行使を制限する理
由はなく,同法8条が在外国民の権利行使を制限するものであると解す
ることは憲法に反し,許されない。
国民審査法4条が,衆議院議員の選挙権を有する者は審査権を有する
と定め,同法8条が,審査には衆議院議員総選挙について用いられる選
挙人名簿を用いる旨規定することからすれば,国民審査法は,少なくと
もその制定当時,衆議院議員総選挙における選挙権の行使の主体と国民
審査における審査権の行使の主体とを同一のものとして定めていたこと
は明らかである。これは,憲法15条1項が公務員の任命と罷免とを並
列に定めて国民固有の権利であるとしているのと整合するものであり,
憲法も,衆議院議員の選挙権を有する者は当然に国民審査権を行使する
ことがで

主文(判決文より)

1 第1事件原告らの各訴えのうち,地位確認請求に係る各訴え及び違法確認請
求に係る各訴えをいずれも却下する。
2 被告は,第1事件原告ら及び第2事件原告に対し,各金5000円及びこれ
に対する平成29年10月22日から支払済みまで年5分の割合による金員を
支払え。
3 第1事件原告ら及び第2事件原告のその余の請求をいずれも棄却する。
4 訴訟費用は,第1事件原告らに生じた費用の100分の99及び被告に生じ
た費用の100分の97を第1事件原告らの負担とし,第2事件原告に生じた
費用の2分の1及び被告に生じた費用の100分の1を第2事件原告の負担と
し,その余の費用を被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。