事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成22(行ケ)1 |
| 判決日 | 2011-01-28 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決文が挙げた条文 | 憲法42条、憲法43条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は,本件定数配分規定が憲法に違反するか否かであるが,この点 に関する当事者の主張の要旨は,以下のとおりである。 〔原告〕 (1) 投票価値の平等は,民主主義の基本である。 憲法前文・第1段・第1文冒頭の「正当な選挙」とは,「国民の多数が多 数の国会議員を選出する仕組みの選挙」を意味する。民主主義の根幹ルール は,「主権者たる国民が,正当に選挙された国会における代表者を通じて, 実質的な意味での多数決で,立法,行政を支配すること」である。したがっ て,少数の国民から構成される選挙区選出の全国会議員が多数を占めること は,憲法前文・第1段・第1文冒頭の「正当な選挙」の定めに違反するとこ ろ,本件定数配分規定においては,参議院選挙区選出議員定数146人の過 半数74人を選出する有権者数は約33%でしかないから,「正当な選挙」 といえないことは明らかである。 (2) 「二院制の中での参議院の独自性」は,投票価値の平等を減殺するため の正当化事由たり得ない。 憲法42条は,衆議院と参議院からなる二院制を採用しているが,衆議院 議員も参議院議員も全国民を代表する選挙された議員である点では,何らの -2- 差異もない(憲法43条)。参議院の独自性は,国会が,「1人1票」を前 提として,その高度の政治的裁量によって設ければよいことである。このよ うに,投票価値の平等を維持した上で参議院の独自性を設け得る以上,憲法 が二院制を採用していることは,参議院議員選挙の選挙権の投票価値の平等 を減殺するための正当化事由たり得ない。 (3) 「1人1票」の憲法上の権利は,都道府県間の境界の維持等の憲法外の 利益に優越する。 都道府県,市町村その他の行政区画,従来の選挙の実績,選挙区としての まとまり具合,面積の大小,人口密度,住民構成,交通事情,地理的状況は, いずれも憲法上保障される利益ではなく,これらを理由として,関係する地 域に居住する国民の1票の価値を増減することは憲法に違反する。したがっ て,「1人1票」の権利を実現するためにやむを得ない場合は,都道府県の 境界を跨いででも,人口比例に基づいて合併選挙区を創造することが憲法に よって要求されているといえる。 (4) 裁判官は,国民の多数が,投票価値が最大の選挙区の選挙権を1票とする と,自らの選挙権は1票未満でしかないという真実を知った場合に持つと合 理的に推察される国民の意見(世間の常識)と矛盾しないように,憲法が国 民1人1人に「1人1票」を保障しているか否かを判断するよう求められる。 そして,証拠(甲9,10)によれば,上記の国民の多数意見が自己の1 票につき1票未満ではなく1票の価値を求めていることは明らかである。 (5) 国会議員は,現在の選挙区割り・議員定数のお陰で当選しているのであ るから,1票の較差問
主文(判決文より)
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。