事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成29(ワ)43269 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 民法709条、特許法29条2項、特許法79条、特許法100条1項、特許法102条2項 |
| 当事者 | 原告 株式会社ジムウェイ/被告 株式会社徳光/被告 株式会社マルゼン |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点 被告製品の本件発明の技術的範囲への属否(なお,被告らは,後記ア,イ以 外の構成要件の充足性を争わない。) ア 「左右の両耳介部を覆う形態」(構成要件B)の充足性 イ 「空間を形づくる非伸縮性の接合部」(構成要件D)の充足性 特開2004-24620号公報(乙10。平成16年1月29日公開。以 下「乙10文献」という。)記載の発明(以下「乙10発明」という。)に基づ く進歩性欠如(特許法29条2項) 先使用の抗弁の成否(特許法79条) 原告の損害額 3 争点に関する当事者の主張 争点 -ア(「左右の両耳介部を覆う形態」(構成要件B)の充足性)につい て (原告の主張) 「左右の両耳介部を覆う形態」とは,左右の両耳介部の付け根の外側を覆う 形態を意味し(本件明細書の段落【0043】【0044】【0054】【005 5】【0066】【0068】【0070】【図8】),被告製品は当該形態を有す るから,構成要件Bを充足する。 これに対し,被告らは,「左右の両耳介部を覆う形態」とは,左右の両耳介部 の全てを覆う形態であると主張するが,本件明細書にはそのような記載や示唆 はなく,理由がない。 (被告らの主張) 「覆う」とは,「露出するところがないように,全体にかぶせてしまう」等の 意味を有するから,「左右の両耳介部を覆う形態」とは,左右の両耳介部の全て を覆う形態であると解釈すべきであるところ,被告製品は,左右の両耳介部に 掛止可能な環状を為す掛紐体を備えた形態であり,左右の両耳介部の全てを覆 う形態ではない。 原告は,本件明細書の記載や【図8】から,「左右の両耳介部を覆う形態」と は左右の両耳介部の付け根の外側を覆う形態であると主張するが,本件明細書 には,「付け根」との記載はないし,【図8】が耳介部の付け根の外側を覆う形 態であるとしても,特許請求の範囲や明細書の記載と矛盾し,構成要件の解釈 の根拠にならないし,上記のとおり,被告製品は,左右の両耳介部に掛止可能 な環状を為す掛紐体を備えた形態として特定されるべきであるから,原告の主 張を前提としても,被告製品は構成要件Bを充足しない。 「空間を形づくる非伸縮性の接合部」(構成要件D)の充足性) について (原告の主張) 「空間を形づくる非伸縮性の接合部」とは,会話等で唇を動かしても,呼吸 をしても,ニット生地による拡大,縮小といった変化を生じることなく安定し てこれを行うために設けられたものであり(本件明細書の段落【0020】【0 061】【0063】【0092】),その目的を達成するため,会話や呼吸の妨 げにならないように,マスクの本体が鼻下及び唇の表面に接触しない程度の空 間が保たれるよう(段落【0062】),マスク本体の中央部を左右に分離させ て縫合する構成をいい,「非伸縮性」とは,まったく伸縮性を有し
主文(判決文より)
1 被告徳光は,別紙被告製品目録記載の製品を製造し,譲渡し,輸入し,輸出し, 譲渡の申出をし,又は譲渡のために展示してはならない。 2 被告徳光は,前項の製品及びその半製品(前項の製品の構造を具備するが製品 として完成するに至らないもの)を廃棄せよ。 3 被告徳光は,原告に対し,11万6270円及びこれに対する平成31年3月 26日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 被告マルゼンは,第1項の製品を製造し,譲渡し,輸入し,輸出し,譲渡の申 出をし,又は譲渡のために展示してはならない。 5 被告マルゼンは,前項の製品及びその半製品(前項の製品の構造を具備するが 製品として完成するに至らないもの)を廃棄せよ。 6 被告マルゼンは,原告に対し,33万5038円及びこれに対する平成31年 3月26日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 7 訴訟費用は被告らの負担とする。 8 この判決は,第3項及び第6項に限り,仮に執行することができる。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。