事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成23(行コ)3 |
| 判決日 | 2011-03-31 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点(1)(審査請求前置の有無)について (控訴人) 地方税法19条の12は,「第19条に規定する処分の取消しの訴えは, 当該処分についての異議申立て又は審査請求に対する決定又は裁決を経た後 でなければ,提起することができない。」と定めているだけで,当該処分の 全部の場合と一部の場合とを区別していないので,一個の処分の一部につい て審査請求をし,その決定を経ていた場合も,当該処分全部についての異議 申立て又は審査請求に対する決定又は裁決を経たとの要件を充足している。 同条の趣旨は,行政庁の再検討の機会の確保にあるが,審査請求者が処分の 一部だけについて申立てをしていたとしても,行政庁が一個の処分として行 っている以上,再検討の対象は一個の処分全体に及ぶのであるから,一個の 処分の一部について,審査請求をし,その決定を経ていた場合に,処分の全 体について処分取消しの訴えを提起したとしても,再検討の機会は確保され ている。また,一個の処分の一部にでも取消訴訟が提起された場合は,当該 取消訴訟が確定するまでは税務行政の早期安定確保はできないのであるから, 一個の処分について,その一部について審査請求をし,その決定を経ていた 場合に,処分の全体について取消しの訴えを提起しても,同条の趣旨に反す ることはない。 (被控訴人) 争う。 (2) 争点(2)(本件賦課処分の適法性)について (控訴人) 平成19年改正後の地方税法第73条の7第4号は,改正により,信託設 定時の委託者かつ受益者と信託解約時の受益者が異なる場合は課税される ことをより明らかにしたにすぎない。本件のような場合に信託解約による信 託財産の移転について課税すると,不動産が流通していないにもかかわらず 課税することとなり,流通税の趣旨を逸脱してしまう。また,信託による形 式的な所有権移転に対し課税しないとする地方税法73条の7第3ないし 5号全体の趣旨にも反する。地方税法73条の7第4号は,平成19年の改 正前後で実質的な改正はなされていないのであるから,地方税法73条の7 第4号に該当するにもかかわらず,平成19年改正後の地方税法73条の7 第4号に該当しないと判断することは不合理である。平成19年改正後の地 方税法73条の7第4号にいう「引き続き」とは,信託設定時から解約時ま で連続して委託者,受益者が変更されないままであると解することは,信託 受益権の移転そのものに課税するという法の適用を不当に拡大する解釈と なるので,違法である。「引き続き」とは,信託解約時の委託者・受益者が 信託設定時点に引き続き同一の委託者・受益者である場合を規定するのであ る。 (被控訴人) 争う。
主文(判決文より)
1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。