行政文書不開示決定処分取消請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成30(行ウ)254
分類行政
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は,本件不開示決定のうち本件存否応答拒否部分について,情報
公開法5条6号柱書き又は2号イの不開示事由に該当することにより同法8条
に基づき文書の存否を明らかにしないで不開示としたことの適否である。
(被告の主張)
(1) 本件対象文書記載の情報が情報公開法5条6号柱書きに該当し,同法8条
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により文書の存否を明らかにしないで開示請求を拒否することができること
ア 「国の機関〔中略〕が行う事務〔中略〕に関する情報」該当性
本件対象文書は,いずれも,宗教法人法25条4項に基づき所轄庁に提
出されるべきものであるところ,これらの書類は,宗教法人が規則等に従
ってその目的に沿った活動を行っていることを所轄庁が継続的に確認し,
宗教法人法の適正な運用を図るために提出されるべきものである。したが
って,本件対象文書に記載された情報は,いずれも情報公開法5条6号柱
書きの「国の機関〔中略〕が行う事務〔中略〕に関する情報」に当たる。
イ 「事務〔中略〕の性質上,当該事務〔中略〕の適正な遂行に支障を及ぼ
すおそれ」があること
(ア) 「おそれ」の判断における判断手法
情報公開法5条6号柱書きに定める「事務又は事業の適正な遂行に支
障を及ぼすおそれがある」か否かという将来の予測に係る事由の判断に
ついてみると,問題の情報を公にすることによって,国の事務等の適正
な遂行にどのような判断が及ぶかの判断は,それまでに蓄積された行政
運営上の経験の上に立って初めて的確にすることができる場合が多いも
のであり,また,それぞれに関連する行政事務等の実態や全容等を把握
しないままでは,的確にその予測をすることができない場合もある。
そして,情報公開法は,行政文書の開示請求について,申請権として
の開示請求権を付与し,行政庁に応答としての開示又は不開示の決定を
させる,すなわち,開示の拒否に関する法制度において,行政庁の第一
次的判断権を介在させるという仕組みを採用している。
そうすると,情報公開法5条6号柱書きに定める「事務又は事業の適
正な遂行に支障を及ぼすおそれがある」という要件については,行政機
関の長に要件裁量を付与したとまではいえないとしても,開示実施の任
に当たる行政機関の長に一定の幅のある判断をさせることを許容してい
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るというべきである。
したがって,情報公開法5条6号柱書きに定める不開示情報に係る,
将来の予測を内容とする要件である「おそれ」の要件該当性については,
少なくとも,行政機関の長に一定の幅のある判断が許容されていると解
し得るものであり,そのような幅を逸脱する判断がされた場合に限り,
その要件該当性が否定され,当該不開示処分が違法性を帯びるとの判断
手法を採用するのが相当である。
このことは,情報公開法8条に規定する存否応答拒否の

主文(判決文より)

1 文化庁長官が原告に対して平成28年11月25日付けで行った行
政文書不開示決定(〇受庁文第〇号)のうち,A教団が所轄庁に提出
した役員名簿,財産目録,収支計算書,貸借対照表,境内建物に関す
る書類及び公益事業以外の事業に関する書類の存否を明らかにしな
いで不開示とした部分を取り消す。
2 訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。