損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成30(ワ)26043
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文憲法14条1項、憲法24条1項、民法750条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は,①民法750条の規定を改廃して選択的夫婦別氏制を導入し
なかったことは国賠法上違法か,②原告らの婚姻について民法750条を適用
したことは国賠法上違法か,③原告らに生じた損害である。
⑴ 争点①(民法750条の規定を改廃して選択的夫婦別氏制を導入しなかっ
たことは国賠法上違法か)について
ア 原告らの主張
民法750条の規定が憲法24条1項に違反すること
憲法24条1項は,婚姻の自由及び婚姻における夫婦間の権利の平等
を定めている。氏名は,個人として尊重される基礎であり,人格の象徴
として人格権の一内容を構成するものであって,当該個人の同一性識別
に支障の及ぶことを避けるため,婚姻後に婚姻前の氏を使用する利益は
保護に値するものである。
憲法24条1項に基づく権利利益は,個人の人格価値そのものにかか
わるものであるから,その制約について立法裁量が広範に認められるべ
きではない。したがって,憲法24条1項に基づく権利利益の制約につ
いては,その目的が必要不可欠であり,かつ,他に選び得るより制限的
でない手段がないといえない限り,憲法24条1項に違反するものであ
る。
夫婦同氏制は,共同生活者が同氏を称していたという慣習に依拠する
ものであるところ,日本の氏制度の歴史的変遷からしても夫婦同氏が必
然的なものとはいえないし,諸外国においても夫婦同氏が強制されては
いないから,民法750条の立法目的は必要不可欠なものではない。仮
に,夫婦同氏制の目的を婚姻や家族の安定,夫婦や家族の一体感の醸成,
子の利益等と捉えるとしても,それらは必要不可欠とはいえない。そし
て,上記目的は,選択的夫婦別氏制の導入という他に選び得るより制限
的でない手段により達成することができる。
原告 x1が連れ子(原告 x1の子ら)を伴って原告 x2 と再婚したこと
により,原告 x1の氏である「X」と原告 x1の子らの氏である「B」に
不一致が生じ,また,原告 x1の子らは,15歳になったら氏を「A」に
することを希望していたのに,原告 x1の氏が「X」となったことによ
ってそれが叶わなくなってしまったものであるところ,最高裁平成26
年(オ)第1023号同27年12月16日大法廷判決・民集69巻8
号2586頁(以下「夫婦同氏制国賠訴訟大法廷判決」という。)で問題
となった事案は,連れ子のいる者が再婚をしたというものではないから,
本件においては,原告らの上記事情を考慮し,民法750条の規定の憲
法24条1項への適合性について,夫婦同氏制国賠訴訟大法廷判決とは
異なった判断がされるべきである。
したがって,民法750条の規定は,憲法24条1項に違反するもの
である。
民法750条の規定が憲法14条1項に違反すること
憲法14条1項は,合理的理由なくして異なる取扱いを受けず,平

主文(判決文より)

1 原告らの請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告らの負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。