損害賠償請求反訴事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成29(ワ)38149
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点 (前件訴訟の提起及び訴えの変更申立ての違法性)について
(原告の主張)
ア 原告ブログ1ないし3について
被告らによる前件訴訟の訴訟提起及び訴えの変更(以下「前件訴訟提起等」
という。)は,正当な論評の法理に照らして,事実的,法律的根拠を欠くも
のである上,被告らはそのことを容易に知り得た。
原告ブログ1ないし3は,いずれも原告の意見を表明した論評であるが,
意見表明による名誉毀損については,いわゆる公正な論評の法理により,違
法性を欠くものとされることは我が国で確立した判例である。
原告が行った論評は,いずれも,規制の厳しい健康食品を製造・販売する
大企業の代表者が政治家に対して不明朗で多額な貸付をしたことについての
違法性や,政治資金規正法の厳格化の必要性といった,いわゆる「政治とカ
ネ」の問題に関係し,民主主義の根幹に関わる事項であり,公共性が高く,
公益目的であることは明らかであった。
論評の前提となった事実は,被告Bが本件手記で告白した事実が主である
ことは,一般の読者にとって容易に認識し得た。その余の事実も公刊された
新聞紙に掲載された記事や,被告会社において過去にあった事実,又は公知
の事実であったから,真実であることは検討するまでもないことであった。
以上のとおりであるから,原告ブログ1ないし3については公正な論評の
法理により違法性を欠くことは明らかであった。
イ 原告ブログ4及び7について
原告ブログ4は,被告らが前件訴訟を提起したことを前提とした論評であ
り,原告ブログ7は,上記訴訟提起の事実と,被告Bが本件手記で告白した
事実を前提とした論評であることは,一般の読者にとって容易に認識し得た。
原告が行った論評は,「政治とカネ」の問題に加え,この問題に批判を加
えることの重要性や,経済的弱者が批判を封じる目的でスラップ訴訟を提起
することは許されるべきではないといった,表現の自由と裁判制度のあり方
の問題に関する事項であり,公共性が極めて高く,公益目的であることは明
らかであった。論評の前提となった事実の真実性に疑いの余地はなかった。
原告ブログ4及び7についても公正な論評の法理により違法性を欠くことは
明らかであった。
ウ スラップ訴訟について
前件訴訟提起等は,被告らが勝訴判決により権利を回復することを主たる
目的とするものではなく,被告らに対して批判を加える者に訴訟係属を強い
ることにより言論を封殺することを意図して行ったものである。被告らは,
原告が原告ブログ3を掲載してからわずか8日後に前件訴訟を提起しており,
原告が原告ブログ4及び7で前件訴訟の提起がスラップ訴訟であると批判す
ると,被告らは,原告ブログ7の掲載から21日後に,請求を拡張する訴え
の変更を申し立てた。ブログの掲載から被告らが訴訟提起ないし請求の拡張
の

主文(判決文より)

1 被告らは,原告に対し,連帯して110万円及びこれに対する平成26年8月
29日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は,これを6分し,その1を原告の負担とし,その余は被告らの連帯
負担とする。
4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。