損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成30(ワ)2986
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文民法715条、民法715条1項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
(暴対法31条の2について)
⑴ 本件詐欺は,Aが威力利用資金獲得行為を行うについてされたものか。
⑵ 被告は,本件詐欺に関し,暴対法31条の2ただし書1号に該当するか。
(使用者責任について)
⑶ 被告は,Aの使用者といえるか。
⑷ 本件詐欺は,稲川会の事業として行われたものか。
(共通)
⑸ 損害の発生及びその額
3 争点に関する当事者の主張
⑴ 争点⑴(本件詐欺は,Aが威力利用資金獲得行為を行うについてされたも
のか。)について
(原告の主張)
ア 暴対法31条の2の趣旨は,民法715条の使用者責任の特則として,
立証責任を軽減し,被害者救済を図るとともに,暴力団が資金獲得を目的
とする組織であること及び威力を用いて社会全体に害悪を与える組織であ
ることに鑑み,威力を利用した資金獲得活動を牽制・抑止することにある。
かかる趣旨に加え,暴力団による資金獲得活動が巧妙化している現状から
すれば,同条にいう「威力利用資金獲得行為」とは,暴力団が行う資金獲
得行為を広く含むと解釈されるべきである。
イ 「威力を利用して」について
暴対法の解釈
暴対法31条の2にいう「威力を利用して」とは,暴対法3条1号の
文言と同様,指定暴力団員が,当該指定暴力団に所属していることによ
り,資金獲得活動を効果的に行うための影響力又は便益を利用すること
をいい,当該指定暴力団の指定暴力団員としての地位と資金獲得活動と
が結びついている一切の場合をいうものである。
暴対法31条の2はあえて「威力を利用して」と要件を定めているこ
とからすると,同条の「利用」については,不法行為の相手方に対して
威力を示すことを要せず,不法行為の相手方が威力を認識する必要もな
く,指定暴力団員としての地位と資金獲得活動とが結びついている一切
の利用態様を含むというべきであって,指定暴力団員が,指定暴力団の
人的・物的な影響力ないし便益を利用していた場合には,威力を利用し
たものといえる。
したがって,資金獲得行為の遂行に必要な人員や活動拠点の確保,携
帯電話等の物的資源の調達や,検挙を免れるための各種情報収集のため
に,指定暴力団特有の人的ネットワークを利用していた場合(以下「便
益利用型」という。)や,犯行グループ内で指揮命令系統を維持確保し,
規律の実効性を高めるために指定暴力団の影響力を利用していた場合
(以下「内部統制型」ともいう。)もまた,指定暴力団の人的・物的な影
響力ないし便益を利用しているものといえるから,暴対法31条の2に
いう「威力を利用」したものである。
本件の便益利用型該当性
Aは,稲川会の組織力を背景に,本件詐欺を含む一連の詐欺行為の準
備として,電話を架ける相手の名簿,電話の架け方等に関する詳細かつ
膨大なマニュアル及び詐欺に使用する携帯電話機等を全て用意し,拠点

主文(判決文より)

1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。