発信者情報開示請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和1(ワ)18235
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文プロバイダ責任制限法4条1項、著作権法32条1項
当事者被告 株式会社ハイホー

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
⑴ 本件写真が著作物に当たるか
⑵ 引用(著作権法32条1項)が成立するか否か
4 争点についての当事者の主張
⑴ 本件写真が著作物に当たるか(争点1)
(原告の主張)
本件写真を撮影したAは,スピーチ中のB会長が揮毫を指し示したタイミ
ングと,その指導に聞き入る幹部の真剣な表情をとらえて,構図,シャッタ
ースピード,タイミング,絞りなどを調整するなどし,原告の出版部門のカ
メラマンとしての経験を活かして撮影したのであるから,本件写真は,誰が
撮影しても同じ写真になるような,ありふれた写真ではなく,Aの個性が現
れた創作性の認められる著作物である。
(被告の主張)
本件写真は,部屋の中に数人の人々が座っており,当該人々が1人の座っ
た人物を見ているという状況を撮影した,ありふれた構図の写真であり,撮
影者の創意工夫は全く認められないから,思想又は感情を創作的に表現した
著作物ということはできない。
⑵ 引用(著作権法32条1項)が成立するか否か(争点2)
(原告の主張)
- 3 -
ア 本件投稿記事は,投稿者の実名を示さず,本件写真について具体的な
言及や論評はないから,本件投稿記事に本件写真を掲載することは「公
正な慣行」に合致するものということはできず,また「報道,批評,研
究その他の引用の目的上正当な範囲内」で行われたものということもで
きない。
したがって,本件投稿記事による本件写真の引用は,著作権法32条
1項所定の適法な「引用」とは認められないから,本件投稿記事によっ
て本件写真に係る原告の公衆送信権が侵害されたことは明白である。
イ 被告は,本件新聞記事全体を一つの著作物として「引用」該当性を検
討すべきと主張するが,原告は本件写真に係る公衆送信権の侵害を主張
しているのであり,失当である。また,仮に本件新聞記事全体について
「引用」該当性を検討するとしても,本件投稿記事は「是非,読んで頂
きたいスピーチがあります」として,本件新聞記事を引用しているので
あるから,新聞記事という著作物を読ませることが目的であって,被告
が主張するような,「新・人間革命<第30巻上>」「大山の章」を論評
することが目的ではないし,現に論評する関係にもない。また,本件新
聞記事の日付等を紹介すれば足りるから,本件新聞記事の新聞紙面その
ものを引用する必要性もない。
したがって,およそ「公正な慣行に合致」し,「引用の目的上正当な範
囲内で行われる」引用とは認められない。
(被告の主張)
ア 本件投稿記事はB会長著「新・人間革命<第30巻上>」「大山の章」
の論評をするものであり,このために4つの文献を引用しており,その
うち1つが本件新聞記事である。氏名不詳者は本件新聞記事を引用する
にあたり,「師の受けた痛みに,少しでも近づこうとする方に,是非,読
んで頂き

主文(判決文より)

1 被告は,原告に対し,別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せよ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。