退去強制令書発付処分取消等請求控訴事件(原審・大阪地方裁判所平成19年(行ウ)第191号)

事件の基本情報

裁判所大阪高等裁判所
事件番号平成23(行コ)28
判決日2011-12-08
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点(1)について)
(被控訴人の主張)
(1)ア 行政処分における主張立証責任の分配は,権利侵害処分かどう
かのみによって決することができる事柄ではなく,個々の法規の
条文解釈や,その法規の趣旨・目的をも参照することによって初
めて決することができる事柄である。
イ 入管法は,同法の適用上,日本国籍を有する者は,日本国の構
成員である以上,構成員として日本国に永遠に居住することがで
きる権利を有する一方で,日本国籍を有しない者については,当
然には入国・在留の権利が認められず,日本国籍者であるか否か
が,その法的地位を根本的に分かつ前提となっていることから,
その対象者が日本国籍を有する者であるか,有しない者であるか
によって入国・在留管理の処遇を分かつ建前を採っている。
つまり,「外国人」は,入管法上の在留管理の対象とされるべ
き者か否かの前提となる身分事項であって,同法は,「外国人」
については,当然の入国・在留の権利が認められないことを前提
に,その入国,上陸,在留,退去,出国に至るまでの一連の在留
管理をする仕組みを採用しており,そのような「外国人」に対し
ては,退去強制処分といった権利侵害処分の場面のみならず,上
陸許可,在留期間更新,在留資格変更,難民の認定等様々な授益
処分も予定しており,「外国人」の要件に関しては,それが授益
処分であるか,侵害処分であるかという処分の性質の違いから主
張立証責任の分配の具体的中身を異ならせるという立場を採って
いないと解される。
ウ さらに,同法上,「外国人」としての上陸と日本国籍者として
の上陸の二通りしか予定していないところ,「外国人」として上
陸が許可された者については,以降,その「外国人」としての身
分が継続するものとして取り扱うこととなり,他方,日本国籍者
の入国については,同法61条の要件(日本国旅券の所持等)を
満たさない限りは日本人として上陸することは許されず,日本国
旅券を所持しない者が日本国民であると主張するときには,その
主張立証責任は当該本人にあると解され,かかる立証ができず,
それでも本邦に上陸を企図する場合は,「外国人」として上陸す
るほかはなく,その後も「外国人」としての身分が継続するもの
として取り扱う。
これを強制退去手続における認定の場面についてみると,入管
法上,入国審査官は,それまで在留管理の中で外国人として取り
扱われてきた容疑者が強制退去対象者に該当するかどうかを審査
することとされており,国籍法所定の日本国籍取得原因が存在し
ないことを行政庁に積極的に審査,認定させるべき仕組みをとっ
ておらず,むしろ,その者が国籍法所定の日本国籍取得に係る要
件事実を立証しない者であることをもって「外国人」であると認
定することを前提としている。
実質的に見ても,上陸時あるいは

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。