損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和1(ワ)23122
判決日2020-02-19
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文著作権法23条1項、著作権法114条1項、著作権法114条3項
当事者原告 株式会社WILL

この事件の代理人

争点(判決文より)

本件の争点は原告の損害額である。
4 争点に対する当事者の主張
【原告の主張】
(1) 著作権法114条3項による損害額 341万2430円
ア 原告は,第三者が原告の著作物を使用する場合,第三者との間でコンテンツ
提供基本契約を締結した上で,各著作物の利用について覚書を締結している。
そして,覚書においては,原告の著作物を第三者が配信する場合には,第三者は,
コンテンツ売上総額の38パーセントを使用許諾の対価として原告に支払うものと
されていた。
イ 本件著作物は,原告のグループ企業により運営されるDMM.com上で有
料でインターネット配信されており,平成28年5月10日時点で,配信価格は,
HD版ダウンロードとストリーミングのセットが2980円,ダウンロードとスト
リーミングのセットが2480円,DVDトースターが2800円であった。
ウ 原告は,本来であれば,本件著作物の動画再生1回につき,少なくとも,前
記イの配信価格のうち最低額の2480円に38パーセントを乗じた金額を受領で
きた。
本件動画サイトにおける本件著作物の再生回数は3621回であったから,原告
がその著作権の行使について受けるべき金銭の額に相当する額(著作権法114条
3項)は341万2430円(2480円×38パーセント×3621回)である。
(2) 被告の主張について
被告が主張する使用料相当額はいずれも相当でない。
ア 再生1回当たりの使用料相当額について
DMM.comにおけるストリーミング配信価格が300円となるのは,発売か
ら相当期間経過した作品であり,本件のように発売及び配信の開始からわずか1か
月の作品である場合は,高額な配信価格が設定される。
イ 表示された再生回数について
本件著作物のように本件動画サイトに有料動画としてアップロードされた動画の
場合,表示される「再生数」に数秒間だけのサンプル再生が含まれることは認める
が,このうち実質の伴った再生が1パーセント程度であるとするのは根拠がない。
ウ 動画見放題サービスに提供した場合の使用料を基準とすべきことについて
本件著作物は,本件アップロード当時,発売及び配信の開始から,わずか1か月
程度の作品であったから,動画見放題サービスの対象になっておらず,原告が動画
見放題サービスに提供した場合に受け取る使用料を基準とするのは相当でない。
【被告の主張】
(1) 著作権法114条3項による損害額について
ア 【原告の主張】(1)ア及びイの事実は不知であり,同ウの計算は争う。
イ 後記(2)のとおり,本件動画サイトの再生回数を基準として使用料相当額を計
算するのは相当でないが,仮に,再生回数を基準として相当な使用料を考える場合
は,原告の計算方法は妥当でなく,以下のように考えるべきである。
(ア) 再生1回当たりの使用料

主文(判決文より)

1 被告は,原告に対し,40万円及びこれに対する令和元年9月15日から支
払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は,これを8分し,その7を原告の負担とし,その余を被告の負担
とする。
4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。