発信者情報開示請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和1(ワ)30272
判決日2020-06-25
分類民事 / 著作
判決種別判決
当事者被告 株式会社サイバーエージェント

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
被告は本件発信者情報1を保有しているか
本件発信者情報は法4条1項の「発信者情報」に当たるか
本件発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるか
3 争点に対する当事者の主張
被告は本件発信者情報1を保有しているか)について
【原告】
本件サービスを利用してホームページ等を作成するためには,電子メール
アドレス等のほかに,氏名又は名称を登録することが必要であるから,被告
は,本件発信者情報1を保有している。
【被告】
否認する。
(本件発信者情報は法4条1項の「発信者情報」に当たるか)につ
いて
【原告】
ア 「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示
に関する法律第四条第一項の発信者情報を定める省令(以下「省令」とい
う。)」3号は,電子メールアドレスについて,「発信者の電子メールア
ドレス」と定め,「係る」という限定にはしていない。
プロバイダ等が保有する情報は契約者の情報であるところ,契約者は必
ずしも投稿者であるとは限らないが,プロバイダ等は投稿者を知り得ない
から,「発信者」が厳密に投稿者であることを求めれば,「発信者の電子
メールアドレス」が開示されることは法律上ほぼあり得ないこととなる。
したがって,投稿者である蓋然性が十分にあるといえる者であれば,省
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令3号の「発信者」に当たると認められるべきである。
イ そこで,本件登録者が本件記事を本件サイトに投稿をした者ではないと
いう可能性について検討する。
一般的に,IDやパスワードを利用してログインした上で利用するサー
ビスにおいて,当該ID及びパスワードを設定した者以外の第三者がログ
インをするということは通常はない。
また,本件サービスを利用してホームページ等を作成するためには,本
件サービスの利用規約に同意することが必要であるところ,同規約は,第
三者へのログイン情報の開示を禁止し,ログイン情報を第三者に知られた
ことが判明した場合には直ちに被告に報告すべき旨規定している。そして,
被告は本件登録者に意見照会を行っていると思料されるところ,仮に本件
登録者にとって思い当たることがないのであれば,上記意見照会の結果と
してそのような事情が得られていると思われるが,本件訴訟において,複
数人が本件サイトにログインするなどしたといった事情や第三者に本件サ
イトのログイン情報を知られたといった事情は一切現われていない。
したがって,本件登録者のみが本件サイトを利用していることが強く推
認される状況にあり,本件登録者が本件記事を本件サイトに投稿をした者
である蓋然性が十分あるといえる。
ウ よって,本件登録者が本件サービスを利用するに当たって登録した電子
メールアドレス(本件発信者情報2)は省令3号の「発信者の電子メール
アドレス」に当たるというべきである。
【

主文(判決文より)

1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。