発信者情報開示等請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成31(ワ)8945
判決日2020-06-26
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文プロバイダ責任制限法3条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
(1) 原告の権利が侵害されたことが明らかであるといえるかどうか(争点1)
ア 原告の主張
(ア) 肖像権侵害
本件アカウントは,本件発信者が,ツイッター上で,原告と同姓同名
のアカウント名を用いることにより,原告になりすまして登録し,「A
の裏垢」(非公式アカウントという趣旨)などと記載してこれを使用し
ているものであるが,原告は,本件発信者に対し,原告自身の顔写真を
使用することを許諾していない。
特に,本件アカウントのユーザー名は,「@✖▲■」であるところ,こ
れは「✖」「▲」「■」と読むことができ,女タラシで,自慰行為をし
て,「■」と叫んでいる状況を表現しているものと読み取ることができ
る。
上記ユーザー名と共に,原告の顔写真が用いられるなどしたことで,
原告は,そのクラスメイトから,「✖」と中傷されるなどした。
原告が高校3年生であり,多感な年ごろであることを踏まえると,こ
のような原告の顔写真の使用は,原告の肖像権を侵害するものであり,
社会生活上受忍すべき限度をはるかに超えている。
(イ) 名誉感情侵害
本件アカウントを読む一般の読者は,本件アカウントを上記(ア)のと
おり読むのが自然であるから,原告の写真と共にそのようなアカウント
名が付けられることは,多感な年ごろの原告にとって,社会通念上許さ
れる限度を超えた侮辱行為に当たる。
イ 被告の主張
本件アカウントのユーザー名である「@✖▲■」は,一見して意味不明
なものであり,原告が主張するような意味内容を読み取ることはできな
い。
よって,本件アカウントにおける原告の顔写真の使用は,社会通念上受
忍限度を超えるものではないし,上記ユーザー名が原告の名誉感情を侵害
するものともいえない。
(2) 別紙発信者情報目録記載3の情報が特定電気通信役務提供者の損害賠償責
任の制限及び発信者情報の開示に関する法律第四条第一項の発信者情報を定
める省令(以下「本省令」という。)3号にいう「電子メールアドレス」に
該当するかどうか(争点2)
ア 原告の主張
(ア) プロバイダ責任制限法の「電子メール」については,SMTP方式に
よる電子メールとSMS方式による電子メールが含まれる。
このことは,同法3条の2第2号が引用する公職選挙法142条の3
第3項が,「電子メールアドレス」や「電子メール」について,さらに
特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(以下「特定電子メール
法」という。)2条の定義を引用しているところ,その下位規範たる特
定電子メールの送信の適正化等に関する法律第二条第一号の通信方式を
定める省令によって,上記電子メールの通信方式がSMTP方式とSM
S方式とされていることから明らかである。
(イ) それゆえ,SMS方式による電子メールに係る電子メールアドレス
も,本省令3号にいう

主文(判決文より)

1 被告は,原告に対し,別紙侵害情報目録記載の情報を投稿した者に関するシ
ョートメッセージサービスが用いられる通信方式による電子メールに係る電子
メールアドレスを開示せよ。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。