特許実費等請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成31(ワ)3197
判決日2020-07-29
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文民法494条
当事者原告 株式会社ワコー/被告 第一精工株式会社

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
被告が支払義務を負う特許実費の範囲(争点1)
被告が支払義務を負うランニング・ロイヤルティの範囲(争点2)
3 争点に対する当事者の主張
争点1(被告が支払義務を負う特許実費の範囲)について
【原告の主張】
ア 被告が支払義務を負う特許実費の範囲について
次のとおり,被告は,本件契約に基づき,原告から専用実施権設定の許諾を受けた
本件特許権等の特許実費を支払う義務を負う。そして,平成29年度第2半期におけ
る特許実費は4512万6043円である。
本件特許権等には,原告が将来に所有すべき特許権及び出願中の特許が含まれるこ
と(本件契約書1条1号),原告は,被告に対し,専用実施権を許諾し,その設定登録
手続に協力する義務を負うにすぎないこと(本件契約書2条1項),被告が,本件契約
締結前の交渉段階において,原告から専用実施権の許諾を受けた特許権等について特
許実費を負担する旨の提案をしており専用実施権の設定登録が必要であるとはして
いなかったことに照らすと,本件契約書5条1項の「専用実施権…を有している」の
文言は,「専用実施権…を許諾された」又は「専用実施権…の許諾を有している」こと
を意味し,専用実施権の設定登録を要しないと解するべきである。
このことは,被告が,専用実施権の設定登録のない特許権及び出願中の特許に係る
平成27年4月1日から平成29年9月30日までの期間における特許実費を現実
に支払っていたことからも裏付けられる。
上記のとおり解しないと,原告は,被告において専用実施権の設定登録手続を行わ
ない限り特許実費の支払を受けられず,かつ,本件契約上,被告以外の第三者に実施
権を許諾し得ない反面,被告は,特許実費を支払うことなく特許権を排他的に使用す
ることができることになって不合理である。また,被告が専用実施権の設定登録を行
う特許権を選別できることとなると,原告が特許実費の支払を受けられるものと受け
られないものとが混在し,予測可能性が欠けることとなって,原告の法的地位が極め
て不安定なものとなる。
イ 被告の主張についての反論
特許実費の仮払の主張について
本件契約には特許実費の仮払に関する定めもなく,前記アの被告による過去の特許
実費の支払に当たっても,被告は,原告に対し,仮払である旨を説明したことはない。
コンサルタント契約との関係の主張について
本件契約と被告主張に係るコンサルタント契約とは互いに独立した関係のもので
あるし,仮に関係があるとしても,上記コンサルタント契約では特許権等の帰属を規
定し,本件契約では帰属の決定した特許権等のうち原告のみに帰属するものについて
その実施許諾を規定したという関係があるにすぎないから,上記コンサルタント契約
の規定を根拠として被告の主張する本件契約の解釈が成り立つものではない。
本件特許権等

主文(判決文より)

1 被告は,原告に対し,4506万0843円及びこれに対する平成30
年6月13日から支払済みまで年6%の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は,これを20分し,その1を原告の負担とし,その余は被告
の負担とする。
4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。