事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和2(ワ)9105 |
| 判決日 | 2020-09-25 |
| 分類 | 民事 / 著作 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | プロバイダ責任制限法4条1項、著作権法2条1項1号、著作権法32条1項 |
| 当事者 | 被告 KDDI株式会社 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点 (1) 本件投稿による権利侵害の明白性(争点1) ア 本件写真画像の著作物性(争点1-1) イ 適法な引用の成否(争点1-2) (2) 開示を求める正当な理由の有無(争点2) 4 争点に関する当事者の主張 (1) 争点1(本件投稿による権利侵害の明白性)について ア 争点1-1(本件写真画像の著作物性)について (原告の主張) 本件展望台からは180度近い視界が広がっているため,撮影する方角 やズームの程度,レンズの画角等の組合せにより,被写体の選択や組合せ に非常に大きな幅がある。 そして,本件写真は,原告が,露光時間及び絞り値を調整するとともに, 気象条件を調査し,撮影時間帯を選択するなどした上で撮影した作品であ るから,本件写真に撮影者である原告の個性が現れていることは明らかで ある。 したがって,本件写真及びこれに本件文字を付加した本件写真画像は, 思想又は感情を創作的に表現したものであって,「著作物」(著作権法2条 1 項1号)に当たる。 (被告の主張) 本件写真の被写体であるりんくうゲートタワー及びその周辺の建造物は, 屋外に恒常的に設置されているものであるから,これを被写体として撮影 しようとすれば,焦点距離や撮影位置,構図等の表現の選択の幅は必然的 に限定される。 また,本件写真の構図自体はありふれたものである。 したがって,本件写真及びこれに本件文字を付加した本件写真画像は, 撮影者の個性が現れたものとはいえないので,創作性がなく,「著作物」に は該当しない。 イ 争点1-2(適法な引用の成否)について (原告の主張) 本件記事は,「よく和歌山県の夜景を見に出掛けたことある」と記載され ているように,和歌山県の夜景に関する本件投稿者の嗜好を表現するもの であるところ,本件写真画像は,本件展望台から大阪府内に所在するりん くうゲートタワー周辺を被写体として撮影した本件写真に基づいて作成さ れたものであるから,本件記事に本件写真画像を利用する必要性はなかっ た。 また,上記のような嗜好を表明するだけのわずか6行の本件記事に写真 を挿入する必要性はそもそもない。 そうすると,本件投稿者が本件写真画像を本件記事内で利用したことは, 「公正な慣行に合致」したものでも,「引用の目的上正当な範囲内」といえ るものでもないから,適法な「引用」(著作権法32条1項)には該当しな い。 (被告の主張) 本件記事において,「夜景を見るの大好き」,「お父さんが単身赴任中,お 母さんと私と妹と愛犬とよく和歌山県の夜景を見に出掛けたことある」, 「私は和歌山県の夜景が一番好きかな」との記載があり,当該記載の直後 に本件投稿画像が掲載されていることからすると,本件投稿画像は,本件 記事の閲覧者が和歌山県の夜景を想像できるように,いわば参照の目的で 掲載されたものに
主文(判決文より)
1 被告は,原告に対し,別紙1発信者情報目録記載の各情報を開示せよ。 2 訴訟費用は被告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。