事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成31(ワ)7979 |
| 判決日 | 2020-12-08 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及び当事者の主張 ⑴ 本件事故の発生につき被告に不法行為責任又は債務不履行責任ないし工作物 責任が成立するか(争点1) (原告の主張) ア 安全配慮義務違反による不法行為責任又は債務不履行責任について 被告は,本件店舗に不特定多数の顧客を呼び寄せて社会的接触に入った当事者間の 信義則上の義務として,不特定多数の者の通常考えられる履物,行動等を前提として, その安全を図る義務がある。本件店舗では,天ぷらのように油を使用し,踏めば滑っ て転倒することが容易に予想される商品を扱っており,それが床に落ちることも十分 に考えられるから,被告は,顧客に対し,信義則に基づき,上記のような商品が通路 に放置されないようにする義務を負っていたといえる。 被告が上記義務を怠り,本件天ぷらが通路上に放置されたことにより,本件事故が 発生し,原告が損害を被ったのであるから,被告は,原告に対し,安全配慮義務違反 の不法行為責任又は債務不履行責任による損害賠償義務を負う。 イ 工作物責任について 被告は,本件天ぷらが落ちていて床が滑りやすい状態にあったのを放置して本件事 故を惹起したのであるから,原告に対し,土地工作物責任による損害賠償義務を負う。 (被告の主張) 以下の事情によれば,被告は,本件事故の発生について責任を負わない。 ア 本件天ぷらは,本件店舗の従業員ではなく利用客が落としたものと考えられ, 本件事故発生の時点で,本件店舗の従業員は,本件天ぷらが床に落ちている事実を確 認していなかったから,被告が本件天ぷらを通路上に放置した事実はない。 イ 本件天ぷらは,惣菜売場の大皿に盛られたものを利用客自身がトングで取り, プラスチック製パック又は惣菜持ち帰り用袋に入れてレジに持参するという方法で 販売されていたが,かかる販売方法は一般に採用されており,それ自体に何ら問題は ない。上記販売方法を採用する場合,惣菜売場前に衣の一部等が落下することはあっ ても,本件事故現場であるレジ前通路等の惣菜売場前以外の場所に,揚げ物自体が落 下していることは通常ない。 一般に,店舗・商業施設での転倒事故は,床の水濡れに起因するものが大半であり, 落下物が原因となる場合も,主に青果売場における野菜くず等が想定されている上, レジ前通路は転倒事故発生のリスクが高い場所ではない。 したがって,本件事故のように,レジ前通路において,他の利用客が落とした惣菜 を踏んで転倒するのは極めて例外的な事象であって,被告において,本件事故発生を 具体的に予見することは困難であり,これを予見して,事前に特段の対応等を取るべ き義務を負うものではない。 ウ 本件天ぷらが床に落とされた時刻は明らかではないが,レジ前という利用客の 目に付きやすい場所で,レジ内には常に従業員がいたにもかかわらず,利用客から天 ぷらが落ちて
主文(判決文より)
1 被告は,原告に対し,57万8512円及びこれに対する平成30年4月12 日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用は,これを5分し,その3を原告の負担とし,その余を被告の負担と する。 4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。