事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和1(ワ)30833
判決日2021-03-30
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文民法709条

この事件の代理人

  • 太田真也(原告代理人)/東京弁護士会
  • 藤澤潤(被告代理人)/大阪弁護士会

争点(判決文より)

争点
(1) 翻案権,公衆送信権・送信可能化権侵害の有無(争点1)
(2) 同一性保持権侵害の有無(争点2)
(3) 被告作品を掲載した記事の削除の必要性(争点3)
(4) 原告の損害(争点4)
3 争点に関する当事者の主張
(1) 争点1(翻案権,公衆送信権・送信可能化権侵害の有無)について
[原告の主張]
次のとおり,原告作品は,いずれも原告の創作に係る著作物であるところ,
被告は,原告に無断で,原告イラストに依拠して被告文章を制作し,また,
原告文章に依拠して被告イラストを制作した。そして,被告文章を見れば,
原告イラストの創作的な表現上の本質的特徴を直接感得でき,また,被告イ
ラストを見れば,原告文章の創作的な表現上の本質的特徴を直接感得できる
ことは明らかである。そこで,被告において被告作品を制作した行為は,原
告作品に係る原告の翻案権,及び公衆送信権・送信可能化権を侵害する。
ア 原告作品の著作物性について
原告文章及び原告イラストは,いずれも著作物性を有する。被告は,原
告文章について,ありふれた性描写にすぎないとして創作性を否定すると
ころ,身長差が17cmある設定の2人の登場人物の間で,一般的には困
難と思われている体位を敢えてとらせた性描写を行った点に創作性があ
る。
イ 依拠性について
被告イラストは原告文章に依拠したものであり,被告文章は原告イラス
トに依拠したものである。被告は,原告イラストを見たことはないとして,
原告イラストに依拠したことを否定するが,被告は,原告サイトに掲載さ
れたものと同じ英文を模倣したことがあることは認めており,原告サイト
を継続的に閲覧していた蓋然性が高く,原告イラストの投稿のみを閲覧し
ていないというのは極めて不自然である。
ウ 原告作品と被告作品との間の表現上の本質的特徴の同一性
(ア) 原告文章と被告イラストとの間の表現上の本質的特徴の同一性
原告文章は,①身長差が17cmある設定の2人の登場人物の間で,
一般的には困難と思われている体位を敢えてとらせた性描写を行った点,
②性器の状態に係る描写の点,及び③登場人物の一方が壁につかまろう
としている描写の点において創作性があるところ,被告イラストにおい
ても,上記3つの点を備えた描写がなされている。
(イ) 原告イラストと被告文章との間の表現上の本質的特徴の同一性
原告イラストは,2人の登場人物の一方が性的行為の際に勘違いをし
た状況のみを描写したのではなく,当該登場人物の,他方の登場人物に
対するセリフを通じて,他方の登場人物に対し同様の行為をすることを
申し出る展開を想起させるような描写をしたものであり,この点におい
て,被告文章と同一である。
[被告の主張]
次のとおり,原告作品のうち,原告文章については著作物には当たらない。
また,被告は,被

主文(判決文より)

1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。