事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和2(ワ)7469 |
| 判決日 | 2021-05-27 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 民法709条、著作権法2条1項12号、著作権法15条1項、著作権法27条、著作権法112条1項、著作権法114条3項 |
| 当事者 | 原告 株式会社パイインターナショナル/被告 株式会社永岡書店 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点 (1) 本件書籍は原告とAの共同著作物か(争点1) (2) 原告による,Aの著作権持分の取得の成否(上記(1)の主張に係る予備的 主張)(争点2) (3) 本件カバーデザインに係る複製又は翻案の成否(争点3) (4) 利用許諾の抗弁の成否(争点4) (5) 被告の故意または過失の有無(争点5) (6) 原告の損害及び損害額(争点6) (7) 差止めの必要性(争点7) 3 争点に対する当事者の主張 (1) 争点1(本件書籍は原告とAの共同著作物か) 〔原告の主張〕 本件書籍はAの単独の著作物ではなく,原告とAの共同著作物である。 すなわち,まず,著作権法は,著作物の原作品にその氏名や名称が著作者名 として通常の方法により表示されている者は,その著作物の著作者として推定 する旨定めている(14条)。そして,「○c」の表示(以下「○c表示」という。) は,著作者名の表示として通常の方法ということができる。しかして,本件書 籍の奥付部分には,○c表示を用いた本件著作権表示が記載されているから,原 告は,Aと共に本件書籍の著作者(共同著作者)と推定される。 実質的にも,原告は,本件書籍の創作に携わっている。すなわち,本件書籍 は,原告の出版事業の一環として発行されたものであるところ,原告の従業員 であり本件書籍の担当編集者であったB(以下「B」という。)は,本件書籍の デザインを決めるに当たり,既にパブリックドメインとなっている草や花,蝶 などのイラスト素材を探してAに提示し,どの素材を使用するかの取捨選択や, どの素材をどこにどのように組み合わせて配列するかといったデザインの全 般にわたり,Aと協議を重ねたものであるから,Aと共に本件書籍のデザイン の作成について創作的関与をしたといえる。また,本件書籍の創作過程におけ るAと原告の従業員の寄与は一体となっており,各人の寄与分を個別に評価し たり,利用したりすることはできない。 そして,原告の従業員は,原告における自己の職務である編集業務の一環と して本件書籍をAと共に創作したのであるから,原告の従業員の寄与部分は, 職務著作(著作権法15条1項)となり,本件書籍はAと原告との共同著作物 (著作権法2条1項12号)であるといえる。 〔被告の主張〕 本件書籍はAの単独の著作物であり,原告とAの共同著作物ではない。 まず,著作者とは,著作物を創作する者であり,現実に当該著作物の創作に 携わった者が著作者となるのであって,○c表示(本件著作権表示)をもって当 然に著作権者であるということはできない。そして,本件カバーデザインの表 面には,「DESIGNED BY 「A」 」と記載され,その裏面には,「発 売元:パイインターナショナル」と記載されているにすぎず,本件書籍につい て,原告が著作者名として通常の方法により表
主文(判決文より)
1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。