事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和2(行ウ)316
判決日2021-07-20
分類民事
判決種別判決
当事者原告 オプティパルスインコーポレイテッド

この事件の代理人

争点(判決文より)

本件の争点は,原告が本件国内書面提出期間内に本件国際特許出願につき明
細書等翻訳文を提出することができなかったことについて,法184条の4第
4項所定の「正当な理由」があるか否かであり,これに関する当事者の主張は,
次のとおりである。
原告の主張
ア 法184条の4第4項所定の「正当な理由」があるときとは,特段の事
情のない限り,国際特許出願を行う出願人(代理人を含む。以下同じ。)
として,相当な注意を尽くしていたにもかかわらず,客観的にみて国内書
面提出期間内に明細書等翻訳文を提出することができなかったときをいう
ものと考えるべきである。
イ 相当な注意を尽くしていたこと
原告が本件国内書面提出期間内に本件国際特許出願につき明細書等翻訳
文を提出することができなかったのは,本件担当弁護士が,本件メールの
文案を確認した際に,本件国際出願についての日本への国内移行手続の期
限が本件一覧表に誤って記入されているのを見落としたためである。
しかしながら,本件代理人事務所における標準的な実務では,担当弁護
士付きのパラリーガルがクライアントに国際出願についての国内移行手続
の期限を示すレターを作成し,クライアントに当該レターを送る場合,担
当弁護士は,当該レターのレビューと確認をすることになっており,本件
代理人事務所の体制として,ミスを回避するための適切なチェック体制を
講じていた上,本件担当弁護士は,かかる実務に従って,ダブルチェック
を行い,補助者に対して十分な管理・監督を行っていたものであるから,
相当な注意を尽くしていたというべきである。
ウ 客観的にみて国内書面提出期間内に明細書等翻訳文を提出することがで
きなかったこと
本件代理人事務所における標準的な実務では,国際出願の出願人に,
国・地域を問わず,国内移行手続の期間を30か月として報告すること
になっていたが,本件国際出願の場合,本件担当弁護士は,原告の特別
の事情を考慮して,原告の利益のために,原告が国内移行手続の費用を
分散できるように,本件担当パラリーガルに対して,国内移行手続の期
間が30か月の国と31か月の国とに分けて費用見積りを用意するとい
う極めて例外的な取扱いを指示していた。
そのような例外的な取扱いを行う中で,本件担当パラリーガルは,本
件国際出願についての日本への国内移行手続に係る費用の見積額を日本
の特許事務所に問い合わせる電子メールの件名に,日本への国内移行手
続の期限を誤って記載してしまい,それが,本件一覧表に誤った期限が
記入される発端になったのであるが,費用の見積額を問い合わせる電子
メールは,クライアントに国際出願についての国内移行手続の期限を示
すためのものではなく,同メールにおいて同手続の期限は本質的な要素
ではなかったものであって,本件代理人事務所における標準

主文(判決文より)

1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
3 この判決に対する控訴のための付加期間を30日と定める。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。