生活保護費返還処分取消請求控訴事件(原審・神戸地方裁判所平成22年(行ウ)第18号)

事件の基本情報

裁判所大阪高等裁判所
事件番号平成24(行コ)170
判決日2013-12-13
分類高裁
判決種別判決
判決文が挙げた条文行政事件訴訟法3条2項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び争点に対する当事者の主張は,原判決「事実及び理由」
欄の第2の2ないし4(2頁18行目から15頁9行目まで)のとおりである。
ただし,8頁23行目の「保護費」を「本件遡及支給分に相当する保護費」に
改める。
3 当審における当事者の追加主張
(控訴人の主張)
保護の実施機関が,法63条の返還額を定めるに当たって,仮に,Aらに
対する借金返済を自立更生のための費用として考慮することができないとし
ても,控訴人の不自由な現在の生活状況に鑑みれば,自立助長を達成するた
めに生活必需品等の購入が必要となるから,それらの購入費用が,法63条
の返還額決定の際に考慮されるべきである。現状において,自立更生を図る
うえで必要不可欠な費目は,別表1のとおり合計63万1576円である。
また,既に自ら出損した自立更生のための経費も存在する。控訴人が,こ
れまで自立助長に必要不可欠なものとして購入したものの費目は,別表2の
とおり合計83万6840円である。これらは,日々の生活費に充てられる
生活扶助費とは別に保護費から支給されるものか(甲71),あるいは,控
訴人が,障害基礎年金を遡及受給した際に,福祉事務所の担当ケースワーカ
ーが,控訴人に対し,聴き取りを行っていれば,返還額から控除される経費
として取り扱われていたものである。
したがって,法63条の返還額の決定に当たっては,これら合計146万
8416円を考慮すべきであり,そうすると,本件遡及支給分全額97万2
059円が自立更生資金として考慮されることとなり,結局,法63条に基
づいて返還するものは存在しないというべきである。
(被控訴人の主張)
控訴人は,現時点において,IH調理器,ガス給湯器,エアコン,トイレ
設備及び原動機付自転車等の購入が必要であり,これらが自立更生のための
経費に該当する旨主張するが,いずれも本件処分がなされた平成20年9月
17日までに控訴人から上記のような申し出がなされたことはなく,後付の
理屈というべきである。このようなものを法63条の返還額の決定に当たっ
て考慮するのは相当ではない。

主文(判決文より)

1 原判決を取り消す。
2 尼崎市福祉事務所長が平成20年9月17日付けで控訴人に対して行った
生活保護費返還決定処分を取り消す。
3 訴訟費用は第1,2審を通じて,被控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。