事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和3(ワ)5285 |
| 判決日 | 2021-10-12 |
| 分類 | 知的財産 / 著作 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 著作権法114条3項 |
| 当事者 | 被告 株式会社アゴラ研究所 |
この事件の代理人
- 山本隆司(原告代理人)
争点(判決文より)
争点 被告に対する損害賠償請求権の存否(争点1) (原告の主張) 被告は,被告写真を利用するに当たって,BY-SAライセンスに基づく利 用許諾条件である,本件著作者名及び本件タイトルの表示を怠った。被告は利 用許諾を受けずに本件写真の複製,公衆送信をしたといえるから,原告の複製 権,公衆送信権を侵害している。また,上記のとおり本件著作者名の掲載を怠 ったことにより原告の氏名表示権も侵害している。よって,不法行為が成立し, 原告の被告に対する損害賠償請求権が発生している。 CCライセンスは,対象著作物につき,定められた条件に従う限り自由に複 製,公衆送信等を行うことを許諾するものであり,同条件に違反すれば利用許 諾は受けていないことになり,権利侵害が成立する。 CCライセンスに係る規定にも,非営利を意味するNCライセンスが付され ていない場合には,損害賠償の請求ができなくなるとの記載は一切なく,その ような慣行もない。 被告は,他人の著作物利用につき,著作権等を侵害しないようにする注意義 務があったにもかかわらず,著作権者である原告の許諾を得ようともせず,著 作権法上の権利制限規定の適用の有無も検討しなかったのであるから,権利侵 害につき少なくとも過失がある。被告は,小さな画像をアイキャッチとして用 いたため,クレジットを入れるスペースがなかったから故意,過失がなかった と主張するが,被告には本件写真を利用しないという選択肢もあったのである から,適切なクレジットを入れなくとも本件写真を使用できることになるわけ ではない。 (被告の主張) 本件写真は,無料の写真投稿サイトで公開されたものであり,複製,公衆送 信は自由である。本件写真にはBY-SAライセンスが付与されており,原告 から個別の利用許諾を得る必要はない。 CCライセンスは,利用料を支払わずに作品を利用できるようにするための ライセンスであり,ライセンス料の規定はなく,ライセンス料は発生せず,権 利者は金銭を請求することはできない。BY-SAライセンスを付した権利者 が違反行為に対して請求できるのは利用の差止めのみである。 原告は,商用利用を禁止するNCライセンスを付さずにBY-SAライセン スを付したのであるから,利用料の請求権を放棄したものである。 これまでに世界的にもBY-SAライセンスで損害賠償を認めた例はなく, 仮に認めると波及効が大きい。 また,被告写真は,アイキャッチとして利用するために小さな画像で表示さ れたのであり,クレジットを入れるスペースがなかったのであるから,被告に は故意も過失もない。 損害額(争点2) (原告の主張) 原告は,自身の写真を営利目的で使用することを許諾する場合,欧米で広く 利用されている fotoQuote ソフトの料金表に従ってライセンス料を課しており, 同
主文(判決文より)
1 被告は,原告に対し,5万円及びこれに対する平成28年10月30日から支 払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用は7分し,その1を被告の負担とし,その余を原告の負担とする。 4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。 5 原告について,この判決に対する控訴のための付加期間を30日と定める。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。