事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和2(ワ)2426 |
| 判決日 | 2021-12-08 |
| 分類 | 民事 / 著作 |
| 判決種別 | 判決 |
| 当事者 | 被告 本田技研工業株式会社 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点 (1) 本件社史部分の翻案該当性(争点1) (2) 被告の不当利得の有無及び利得額(争点2) 4 争点に関する当事者の主張 (1) 争点1(本件社史部分の翻案該当性)について (原告の主張) ア 本件社史部分が原告書籍を翻案したものに該当すること (ア) 本件社史部分は,原告書籍に依拠し,その表現上の同一性を維持しつ つ,原告書籍の具体的表現を修正,増減,変更したものであり,原告書 籍を翻案したものである。 (イ) 原告書籍と本件社史部分との間における具体的な表現の同一性及び依 拠性についての主張は,別紙2記述対比表の「原告の主張」欄記載のと おりである。 (ウ) 別紙3構成の類似性(原告の主張)記載のとおり,本件社史部分は記 述内容の全体的な流れと取り上げたテーマにおいても原告書籍と類似性 が強い。このような全体の構成の類似性は,本件社史部分が原告書籍に 依拠して作成されたことを示す間接事実である。 イ 被告の主張への反論 (ア) 表現の同一性について a 被告は,原告書籍と本件社史部分は,記述された事実のみが同一で あると主張するが,事実のみの同一性などということは実際にはあり 得ず,両者は,事実をどのように表現しているかについても同一性が ある。 b 被告は,原告書籍及び被告社史がいずれも事実を伝える文章であっ て,文章表現自体における工夫の余地は少ないと主張する。 しかしながら,原告書籍及び被告社史は,いずれも,単に事実を羅 列したものではなく,被告が二輪レースに再挑戦したこと,新しいエ ンジンを開発したこと,世界GPで優勝したことなどの大きな事実の ほかに,余人の知らない様々な苦労話や隠れたエピソードなどの細か な事実,ほとんど知られていなかった事実も含んでいるから,そのよ うな事実を表現するに当たっては,表現自体における工夫の余地が少 ないとはいい難い。 また,本件社史部分は,原告書籍の表現を並べ替えたり,言い換え たりしただけのものであって,原告書籍の表現上の本質的な特徴を直 接に想起させるものとなっている。 c 被告は,別紙2記述対比表には,原告書籍の複数の箇所に分散する 記述を一つにまとめた上で,被告社史の特定の箇所と比較している部 分(番号3の各記述等)があり,比較の方法として不適当であると主 張する。 しかしながら,原著作物の複数個所をつまみあげて類似表現として 使用するという翻案の手法もあり得るから,原告の上記の比較方法が 不適当とはいえない。 (イ) 原告書籍への依拠について a 原告書籍は実話に基づく執筆であるが,前記(ア)bのとおり,大きな 事実もあれば,細かな事実,ほとんど知られていなかった事実も含ま れているのであり,実話であるからといって,その全体が一般的に知 られている訳ではない。 原告や原告の取材対象者以外にも原
主文(判決文より)
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。