出資の受入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律違反

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和2特(わ)2663
判決日2021-12-20
分類民事

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点~「預り金」該当性の認識の有無~
本件の主な争点は,故意の有無,すなわち,被告人において,Aが顧客に対して
有するリース債権を販売するとの名目で顧客から受け入れた現金が出資法(出資の
受入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律)2条1項の「預り金」に該当す
ることを認識していたか否かである。
検察官は,被告人がAの代表取締役社長としてリース債権譲渡契約の内容を認識
した上で顧客らに対して勧誘等を行っており,「預り金」該当性の認識があったと
主張するのに対し,弁護人は,被告人は,リース債権譲渡契約の内容を知らず,「預
り金」該当性の認識がなかったと主張する。
2 「預り金」該当性及びその認識の有無
⑴ 「預り金」該当性について
ア リース債権譲渡契約の内容
Aにおいて,リース債権の販売は,会長のBが全国の地方マネージャー等に対し
平成29年11月3日に送信したメール(以下「11月3日のメール」ということ
がある。また,以下では断りのない限り平成29年を前提とする。)を皮切りに開
始され,翌月下旬頃にAが経営破綻するまで続けられた。
その契約内容は,5年物リース債権として販売された額面100万円のものを例
にとると,次のとおりである。
・販売価格は額面から3割引の70万円。
・5年後満期時にAが顧客から70万円で買い戻す。
・その間,顧客はAから額面100万円に対する年利6%の債権収入として毎月
5000円を得る(購入額70万円に対する年利約8.57%)。
・顧客が6か月以内に解約する場合は,Aがそれまでの債権収入を差し引いて返
金する。6か月以降に解約する場合は,購入額全額(70万円)で買い戻す(そ
れまでの債権収入の返金の必要はない。)。
このように,リース債権譲渡契約は,いつでも解約でき,その際には購入額全額
の返還(6か月以内に解約する場合には,それまでの債権収入と返金額を合わせて
購入額と同じになる。)が約束されている上に,6か月経過後は,購入額に対する
年利約8.57%という金融機関等の金利と比べて相当好条件の内容となっており,
元本返還・高利回りが保証されたものである。
イ リース債権の実体等
次に,リース債権譲渡契約におけるリース債権は実体のない名目上のものである。
すなわち,このリース債権は,それまでAが顧客であるユーザーとの間で締結して
いたレンタルユーザー契約(ユーザーがAの商品(健康器具)を毎月一定額支払っ
てレンタルするもの)であったものを,Aとユーザーとの間のリース購入契約(割
賦販売契約)に切り替えたことにして,Aがユーザーに対して有することになった
とするものであるが,この契約内容の変更は,Aが一方的に行ったもので,ユーザ
ーに対し契約内容の変更,さらには債権譲渡に伴う債権者の変更について説明をし
て承諾を得たり契約書を作成

主文(判決文より)

被告人を懲役2年6か月及び罰金200万円に処する。
未決勾留日数中210日をその懲役刑に算入する。
その罰金を完納することができないときは,金1万円を1日に換
算した期間被告人を労役場に留置する。
この裁判が確定した日から5年間その懲役刑の執行を猶予する。
訴訟費用は被告人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。