事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和3(ワ)6692
判決日2021-12-23
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文著作権法10条1項8号、著作権法19条1項、著作権法21条、著作権法23条、著作権法114条3項
当事者原告 株式会社A

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点は,原告らの損害及びその額であり,これに関する当事者
の主張は次のとおりである。
(原告らの主張)
(1) 原告会社の損害及びその額
原告会社は,被告による著作権侵害により,次の損害を被った。
ア 著作権侵害に基づく損害額 117万円
原告会社は,原告Bが撮影した写真について,1枚当たり月額3万円を
目安にライセンスしている。被告は,平成29年5月9日から令和2年7
月29日までの39か月間,被告ウェブサイト上に,本件写真の複製物で
ある被告写真を掲載,公開して原告会社の著作権(複製権,公衆送信権(送
信可能化権を含む。))を侵害しており,これに因る原告会社の損害額は上
記月額3万円に39か月を乗じた額である117万円を下らない(著作権
法114条3項)。
イ 弁護士費用 11万7000円
(2) 原告Bの損害及びその額
原告Bは,被告による著作者人格権侵害により,次の損害を被った。
ア 著作者人格権侵害に基づく損害額 15万円
原告Bが著作者人格権(氏名表示権)侵害により被った精神的苦痛を慰
謝するための金額は,その行為態様及び交渉経緯に鑑みれば,15万円を
下らない。
イ 弁護士費用 1万5000円
(被告の主張)
原告らの主張は,いずれも否認ないし争う。
原告ら提出の各請求書(甲4,5)は,いずれも撮影業務,レタッチ業務等
に対する対価を含むものであり,この金額がそのまま使用許諾に対する対価で
あるとはいえず,原告会社のライセンス実績として適切な資料ではない。
原告ら提出の各請求書(甲6)は,テレビ番組での使用に係る使用料であり,
他の媒体に比して高い金額設定がされているから,本件の場合にそのまま適用
すべきものではない。また,原告会社のテレビ番組での使用料は,協同組合日
本写真家ユニオン作成の使用料規程(乙1。以下「本件規程」という。)の第2
章第3節「放送・有線放送」と同程度又は60%程度であり,本件における原
告会社のライセンス料は,本件規程の第2章第4節「インタラクティブ配信」
に基づき算定すべきである。
本件規程によれば,使用期間が12か月を超えるときは,次年度より1か月
分の使用料で使用できることから,39か月分のライセンス料は5万5000
円(=2万5000円(12か月分)+3万円(3か月分))となる。
著作権法114条3項の趣旨を踏まえ,「侵害し得」を回避する必要があると
しても,原告会社の損害額は8万2500円(5万5000円の1.5倍)を
上回るものではない。

主文(判決文より)

1 被告は,原告会社に対し,11万円及びこれに対する令和2年7月
29日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。
2 被告は,原告Bに対し,5万5000円及びこれに対する令和2年
7月29日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。
3 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
4 訴訟費用は,原告会社に生じた費用の10分の1と原告Bに生じた
費用の3分の1と被告に生じた費用の60分の7を被告の負担とし,
原告会社に生じたその余の費用と被告に生じた費用の5分の4を原告
会社の負担とし,原告Bに生じたその余の費用と被告に生じたその余
の費用を原告Bの負担とする。
5 この判決は,第1項及び第2項に限り,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。