所得税法違反被告事件

事件の基本情報

裁判所大阪高等裁判所
事件番号平成25(う)858
判決日2014-05-09
分類高裁
判決種別判決
判決文が挙げた条文所得税法23条、所得税法34条1項

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点は,①被告人の本件馬券購入
行為から生じた所得は一時所得か雑所得か,②外れ馬券の購入費用等も所得計
算上控除されるべきかどうかである。
第2 当裁判所の判断
当裁判所も,①被告人の本件馬券購入行為から生じた所得は雑所得に当たり,
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②外れ馬券を含めた全馬券の購入費用と競馬予想ソフトの利用料や競馬データ
等の情報利用料が,必要経費として所得計算上控除されるべきであると判断す
る。原判決の理由中の説示には一部相当ではないところもあるが,原判決が,
①②のように判断して被告人の総所得金額及び所得税額を計算し,公訴事実か
らは縮小された額を認定したことは,当裁判所も正当として是認することがで
きる。
1 一時所得及び雑所得の区分並びに一時所得に当たるかどうかの判断
⑴ 一時所得及び雑所得の区分
一時所得の定義として,所得税法34条1項は,「利子所得,配当所得,不
動産所得,事業所得,給与所得,退職所得,山林所得及び譲渡所得以外の所
得のうち,営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で
労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをい
う」と規定する。次に,雑所得の定義として,同法35条1項は,「利子所得,
配当所得,不動産所得,事業所得,給与所得,退職所得,山林所得,譲渡所
得及び一時所得のいずれにも該当しない所得をいう」と規定する。
したがって,一時所得と雑所得は,まず,所得税法23条から33条に定
められた利子所得等の所得分類に当たらない所得である。そのような所得の
うち,一時所得が「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時
の所得」で「労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しな
いもの」であるのに対し,これに該当しないもの,すなわち「営利を目的と
する継続的行為から生じた所得」や「労務その他の役務又は資産の譲渡の対
価としての性質を有するもの」などは雑所得となる。
⑵ 一時所得に当たるかどうかの判断
原判決(9頁)は,一時的かつ偶発的に生じた所得である点が一時所得の
特色であり,所得発生の基盤となる一定の源泉から繰り返し収得されるもの
は一時所得ではなく,一時所得とはそのような所得源泉を有しない臨時的な
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所得であるとし,所得源泉性を認め得るか否かは,その所得の基礎に源泉性
を認めるに足りる程度の継続性,恒常性があるか否かが基準となり,所得発
生の蓋然性という観点から所得の基礎となる行為の規模(回数,数量,金額
等),態様その他の具体的状況に照らして判断することになると説示して,一
時所得の判断基準として「所得源泉性(がないこと)」を挙げている(この用
語は,人造絹糸の先物取引(清算取引)による所得の区分に関する名古屋高
裁金沢支部昭和43年2月28日判決で使われたものである。)

主文(判決文より)

本件控訴を棄却する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。