発信者情報開示請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和3(ワ)21013
判決日2022-01-20
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項
当事者被告 ソフトバンク株式会社

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点に対する当事者の主張
本件投稿1(争点1)
(原告の主張)
ア 著作権侵害
原告写真1は,原告が自身の携帯電話で撮影して原告のブログに投稿して
いた写真である。仮に撮影者が原告でなかったとしても原告の携帯電話で撮
影されているのであるから,著作権は原告に黙示的に移転している。
本件投稿1では,原告写真1が複製,公衆送信されており,原告の著作権
が侵害されていることは明らかである。
イ 肖像権侵害
本件投稿1は,原告の顔ないし容姿が写った本件写真1を掲載し,これ
に原告の容姿を嘲笑,揶揄する文言が付されたものである。
原告は,あくまで一般私人であり,その肖像を無断で使用されることを
受忍しなければならないような社会的地位にはない。原告は,第三者に写
真の転載を許諾したことはない。本件投稿1は,原告を嘲笑する内容から
始まるスレッドにおいて,本件写真1に原告を揶揄する文言を付して同
スレッドに投稿されたものであり,肖像の使用につき,正当な目的も必要
性もなく,原告に対する個人攻撃の手段として掲載されている。原告が原
告写真1を自らインターネット上に公開していたことを考慮しても,本
件投稿1の態様での掲載に対してまで肖像権を放棄しているというべき
ではなく,社会生活上の受忍限度を超えるといえるから,原告の肖像権侵
害は明白である。
(被告の主張)
ア 著作権侵害
原告写真1について,原告が撮影したことは明らかではないから,原告が
著作権を有することが明らかであるとはいえず,原告の複製権及び公衆送信
権が侵害されたことが明らかであるとはいえない。
イ 肖像権侵害
本件写真1は,原告が自らブログにアップロードした原告写真1を複製し
たものであり,原告がみだりに自己の容姿が撮影されたわけではなく,原告
が不特定多数の者が閲覧することが予定されたSNSサイト上に同写真を
公開したのであるから,これが用いられたことによって原告の肖像権が侵害
されたことが明らかとはいえない。
本件投稿2(争点2)
(原告の主張)
原告写真2は,原告が自らのスマートフォンで撮影した写真である。本件
投稿2では,原告写真2が複製,公衆送信されており,原告の著作権が侵害
されていることは明らかである。
被告は引用の抗弁を主張するが,「Xさんも4℃の時代があったんだね
ー。」という感想を述べるために原告のインスタグラムの記事を転載する必要
はなく,また,感想が短文であり,原告の記事が十分な大きさをもっている
ことからすると,明らかに引用元が主であり,目的上正当な範囲での引用と
はいえない。そもそも,本件投稿2は,単にスレッドにおける中傷活動を面
白がって,原告への誹謗中傷投稿への新たな材料を投下することに目的があ
り,引用制度によって保護すべき新たな表現活動とはいえない。
なお,ハッシュタグは,

主文(判決文より)

1 被告は,原告に対し,別紙発信者情報目録記載1,2の各情報を開示せよ。
2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用はこれを10分し,その1を原告の負担とし,その余を被告の負担と
する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。