著作権侵害損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和3(ワ)10987
判決日2022-02-24
分類知的財産 / 著作
判決種別判決

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
(1) 著作権(複製権,翻案権),著作者人格権(氏名表示権,同一性保持権)の
侵害の成否
(2) デッドコピーによる不法行為の成否
(3) 損害及びその額
3 争点に関する当事者の主張
(1) 争点1(著作権(複製権,翻案権),著作者人格権(氏名表示権,同一性保
持権)の侵害の成否)について
(原告の主張)
ア 原告雑誌記事及び原告ルポのうち,別紙1及び2の各対比表の原告各記
述は,いずれも原告の思想又は感情を創作的に表現したものであり,文芸
又は学術の範疇に属する著作物である。
被告各記述は,原告各記述と比べて,一見して分かる程度に表現方法が
酷似し,文章の構成は同一であり,ほぼ同じ文章も複数あり,全体を通じ
て,原告各記述の表現上の本質的な特徴を直接感得することができるから,
被告は,原告の各著作物につき複製又は翻案をなしたものである。
イ また,被告各記述の作成,公表にあたって,被告が原告各記述に依拠し
たことは,その表現が原告各記述と酷似していることに加え,その公表時
期が原告各記述より遅いこと,被告が原告ルポの所収された書籍「日本の
奨学金はこれでいいのか!」の共著者であること,原告の誤記が被告各記
述の中にも見られること,原告各記述でしか公表されていない情報が被告
各記述にも記載されていること等の事実から明らかである。
ウ したがって,被告各記述は,原告の各著作物に係る著作権(複製権,翻
案権),著作者人格権(氏名表示権,同一性保持権)を侵害するものである。
(被告の主張)
原告の上記主張は,争う。
原告各記述に創作性が認められず,原告の各著作物に係る著作権(複製権,
翻案権)侵害が認められないことについては,別紙1及び2の各対比表の「被
告の主張」欄記載のとおりである。
また,被告各記述は,これまでの被告をはじめとした奨学金問題に取り組
む者が調査,発表等をしてきた論文,書籍,公表された資料等に基づいて執
筆されており,原告各記述に依拠したものではない。なお,被告が,原告各
記述の中にある一部の債権回収会社の回収額と売上げのデータを参照したこ
とがあっても,データには著作物性がない以上,何ら問題はない。
(2) 争点2(デッドコピーによる不法行為の成否)について
(原告の主張)
仮に,原告各記述に創作性を有する部分がないとしても,被告各記述は,
原告各記述と文章の構成が同一であり,かつ具体的表現においても酷似して
いることからデッドコピーといえ,不法行為の成立は免れない。
(被告の主張)
原告の上記主張は,争う。
著作権法による保護が認められなかった場合における一般不法行為による
損害賠償請求に関しては,著作権法が規律の対象とする著作物の利用による
利益とは異なる法的に保護された利益を侵害するなどの特段の事情がない限
り,不法行為を構成す

主文(判決文より)

1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。