事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成25(う)992 |
| 判決日 | 2014-06-27 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
- 髙藤敏秋(被告代理人)
争点(判決文より)
本件の争点が①殺意の有無と②過剰防衛の成否であるとした上,被害 者が包丁を持ち出して先に被告人の右下腿部を突き刺した可能性が否定できないか ら,被告人が被害者の胸部等を刃物様のもので突き刺した行為は過剰防衛となり,そ の行為には殺意も認められないが,頸部を絞め付けた行為には殺意が認められ,過剰 防衛にもならないから,先の傷害は殺人に吸収されて,結局,殺人罪が成立すると 判断した。 以下,所論にかんがみ,原判決が理由中で示した判断の当否を検討する。 2 当審での事実取調べの結果も含めて,関係証拠によれば,本件現場の状況,被 害者の遺体の状況が,次のとおり認められる。 被害者方居室の床面に多数の血痕が残され,被害者,被告人の各DNA,両 者の混合DNAが検出されているが(原審検甲84,12),リビング奥の遺 体周辺のほか,台所,洗面所,寝室,ウォークインクローゼットの各床面に残 された血痕には,靴底により印象されたものが多く,判別できるものはすべて 被告人が犯行当日に履いていたB製運動靴の靴底と類似する山形模様の痕跡で あった(当審検甲1,11,証人C)。 そのほかの血痕のうち,寝室ベッド上に置かれた被害者のスマートホンのほ か,玄関靴箱上,台所流し台上,台所コンロ下収納庫扉,洗面台下に置かれた 洗剤と漂白剤の取っ手,ウォークインクローゼット内にあった紙袋底,整理ダ ンスの引出下段,クローゼット天棚上の紙袋横の各所に付着したものは,いず れも繊維痕の形状を残しており,手袋様のものを装着した手で触って付着した 血痕と認められる(当審検甲11,証人D)。 被害者は,リビングと台所の間に設置されたカウンターテーブル横の床に, うつ伏せの状態で倒れており,首にはバスタオルが巻き付けられていた。その 遺体の下から右手横にかけて血液が広範囲に貯留しており(原審検甲84の写 真60,61,65),遺体の周辺には血液が付着した靴痕跡7個が残されて いた(当審検1に添付の現場見取図第6図の番号37から43。なお,番号4 2は,C証言によれば,靴痕跡の上の靴下履き素足痕と認められる。)。 被害者の遺体の創傷は,①左胸部に長さ約5.1㎝,幅最大約1.2㎝,深 さ約2.0㎝の哆開創,②右乳房部に長さ約4.0㎝,幅最大約1.0㎝,深 さ約11.5㎝の哆開創,③1回の刺入により同時に成傷されたと考えられる 右上腕部の哆開創と右側胸部の長さ約3.4㎝,幅最大約1.0㎝,深さ約2. 5㎝(右肺に達している)の哆開創があるほか,防御創と考えられる創傷とし て,④左手背部に上下径6.0㎝,左右径2.7㎝の哆開創,⑤右前腕に長さ 3.3㎝,幅最大1.3㎝の哆開創,⑥右手掌面第2近位指節間関節に長さ1 ㎝の刃物によるやや鋭利な皮膚損傷がある。 3 被害者による先制攻撃の可能性について 前記のとおり,原
主文(判決文より)
原判決を破棄する。 被告人を懲役20年に処する。 原審における未決勾留日数中380日をその刑に算入する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。