事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和3(ワ)23928 |
| 判決日 | 2022-04-15 |
| 分類 | 民事 / 著作 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 著作権法10条1項8号、著作権法20条2項4号 |
この事件の代理人
- 久保 俊之(原告代理人)/東京弁護士会
争点(判決文より)
争点 (1) 同一性保持権侵害の成否(争点1) (2) 氏名表示権侵害の成否(争点2) (3) 損害額(争点3) 4 争点に関する当事者の主張 (1) 争点1(同一性保持権侵害の成否)について (原告の主張) 写真の縦横比及び構図は、写真の創作性及び特徴において重要な意味を有 するところ、被告は、原告の許諾を受けることなく、横長の構図である原告 写真1及び2の各中央部を正方形にトリミングしたことにより、原告写真1 及び2に係る原告の同一性保持権を侵害した。 被告は、インスタグラムの仕様に合わせるために、原告写真1及び2をト リミングしたと主張するが、インスタグラムにおいては、平成27年8月以 降、正方形以外の画像であっても投稿することは可能であり、「やむを得な いと認められる改変」(著作権法20条2項4号)にも該当しない。 (被告の主張) 被告は、原告写真1及び2の中央位置はそのままにし、インスタグラムの 仕様に合わせて、原告写真1及び2を正方形にトリミングしたにすぎず、原 告写真1及び2の創作性及び特徴を害したものではない。 また、上記トリミングは、「やむを得ないと認められる改変」に該当する。 (2) 争点2(氏名表示権侵害の成否)について (原告の主張) 被告は、原告写真1をトリミングし、右下に白文字の筆記体で「B以下省 略」と記載した被告写真1を作成し、ツイッター及びインスタグラムにこれ の掲載を含む本件投稿1ないし3をした。本件投稿1ないし3がされたツイ ッター等のアカウントのユーザー名(「B以下省略」等)からすると、本件 投稿1ないし3を見た者は、被告写真1の著作者はアカウントの保有者であ る被告と理解するのが通常であるから、原告写真1に係る原告の氏名表示権 が侵害されたといえる。 また、被告は、原告写真2をトリミングした被告写真2を作成し、インス タグラムにこれの掲載を含む本件投稿2及び3をした。本件投稿2及び3を 見た者は、被告写真2に著作者が表示されていないとしても、被告写真2の 著作者はアカウントの保有者である被告と理解するのが通常であるから、原 告写真2に係る原告の氏名表示権が侵害されたといえる。 (被告の主張) 原告写真1及び2には、原告に著作権があることを示す原告のウォーター マークの記載はなく、被告がこれを削除したわけではない。 被告は、被告写真1に「B以下省略」とウォーターマークを記載したが、 これは被告のアカウント名でも本名でもないから、これによって被告写真1 の著作権者が被告であると理解されるとはいえない。 (3) 争点3(損害額)について (原告の主張) ア 被告が、原告写真1をトリミングし、原告写真1に係る原告の同一性保 持権を侵害したことにより、原告が被った精神的苦痛に対する慰謝料額は、 20万円を下らない。 また、被告
主文(判決文より)
1 被告は,原告に対し,24万円及びこれに対する令和2年7月24 日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用はこれを5分し,その3を原告の負担とし,その余を被告 の負担とする。 4 本判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。
出典
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