発信者情報開示請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和2(ワ)32414
判決日2022-04-21
分類知的財産 / 不正競争
判決種別判決
判決文が挙げた条文不正競争防止法2条1項21号
当事者被告 医療法人社団SEC

この事件の代理人

  • 神田知宏(原告代理人)/第二東京弁護士会
  • 浅野英之(被告代理人)/第一東京弁護士会

争点(判決文より)

争点に対する当事者の主張
被告が特定電気通信役務提供者に当たるか(争点1)
(原告の主張)
ア 本件返信は本件アカウントの「オーナー」からの返信であるから、本件返
信には、被告が電気通信会社と契約する電気通信回線、通信端末、被告に貸
与されたIPアドレス、当該IPアドレスの割り当てられたルータが使用さ
れた。したがって、被告は特定電気通信役務提供者に当たる。
イ グーグル社が本件サービスを提供するに当たって使用しているサーバー
のサーバー領域は、本件における「特定電気通信設備」(法2条2号)に当
たり、被告は、これについてグーグル社との利用契約に基づいて管理権(ア
カウント)を取得して管理しているのであるから、被告は「特定電気通信役
務提供者」(法2条3号)に当たる。法の規定上も、「特定電気通信設備を用
いて他人の通信を媒介し」と記載されていて、それを所有するのがだれであ
るかは問題となっていない。本件は、ブログに何者かが投稿した場合に、ブ
ログの運営者が特定電気通信役務提供者であり、開示関係役務提供者に当た
ることと同様である。
「Googleマイビジネス」のアカウントを有する者は、誰でも、「返信」
欄に投稿することができ、その「返信」欄がアカウント保持者にとっての自
由に投稿できる掲示板で、そこに被告の従業員らが書き込みをしたといえる。
「返信」欄に投稿されたものは、不特定の者によって受信されることを目的
とする電気通信であるから、特定電気通信(法2条1号)に当たり、「返信」
欄の蔵置されたグーグル社のサーバーは特定電気通信の用に供される電気
通信設備である。(法2条2号)。本件返信は本件アカウントを用いて「返信」
欄に投稿されたところ、被告は、本件サービスの「返信」欄を管理・運用し
て他人の通信を媒介しているから、特定電気通信役務提供者である。
(被告の主張)
ア 本件返信が、被告が管理する通信端末等によって行われたことは否認する。
原告はこの点について何ら立証していない。
イ 本件返信が本件アカウントを利用して行われた点について、本件サービス
において特定電気通信設備を他人の通信の用に供しているのは、グーグル社
であり、特定電気通信役務提供者に当たるのはグーグル社である。被告は単
に本件アカウントを有することによって自らを対象とする評判、評価等に対
して店舗等のオーナーとして返信する権限を付与されているにすぎない。本
件アカウントによって有する権限は、電子掲示板において一般の投稿者に与
えられている権限と大差はなく、これらの者が特定電気通信役務提供者に当
たらないのと同様に、被告も特定電気通信役務提供者に当たらない。投稿さ
れた内容について、その正確性やポリシー違反の有無を判断し、違反があっ
たときにその投稿を削除したりアカウントを無効にしたりする権

主文(判決文より)

1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。