国家賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和2(ワ)22514
判決日2022-04-21
分類行政
判決種別判決
判決文が挙げた条文刑事訴訟法39条1項、刑事訴訟法39条2項、刑事訴訟法81条、国家賠償法1条1項、憲法34条

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
⑴ 東京拘置所の職員が本件文書の差入れの申出に応じなかったことについて、
国家賠償法上の違法性等の有無(争点1)
⑵ 損害の内容及び損害額(争点2)
3 争点に関する当事者の主張
⑴ 争点1(東京拘置所の職員が本件文書の差入れの申出に応じなかったことに
ついて、国家賠償法上の違法性等の有無)について
(原告の主張)
ア 憲法34条前段及び37条3項は、被告人が、弁護人から援助を受ける機
会を持つことを実質的に保障しており、この趣旨を踏まえて、刑事訴訟法3
9条1項は、弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護
人となろうとする者(以下「弁護人等」という。)と被告人との間の接見交通
権を保障している。弁護人等と被告人との間の接見交通権は、専門家である
弁護人が、被告人に対し、独自の立場から後見的な役割を果たすことが不可
欠であることから保障されているものであり、弁護人固有の権利として重要
な憲法上の権利である。
また、刑事訴訟法39条2項は、弁護人等との接見交通権に基づく接見又
は書類若しくは物の授受の制限について、法令で、被告人の逃亡、罪証の隠
滅又は戒護に支障がある物の授受を防ぐために必要な措置を規定すること
ができるとしており、弁護人等以外の者との間で行う場合と区別して、限定
的に規定している(刑事訴訟法81条参照)。
これに加えて、市民的及び政治的権利に関する国際規約14条1項、同条
3項b及びd並びに強制失踪からのすべての者の保護に関する国際条約1
7条等の規定も考慮すると、弁護人と被告人との間の書類の差入れを禁ずる
ことは、許されないというべきである。
イ 本件文書は、高等裁判所に提出する控訴趣意書の案であり、本件被告人の
防御権の行使に不可欠な文書であって、その授受は、接見交通権の一環とし
て重要である。被告は、弁護人等の被告人に対する物品の差入れについて、
刑事施設の管理運営上の支障を理由として制限を正当化するが、これは、弁
護人等による文書の差入れとその他の者の物品の差入れとを同一視し、弁護
人等の接見交通権を軽視するものであって、相当でない。
また、弁護人等の被告人に対する信書の受付に当たっては、秘密接見の保
障への配慮の観点から、その検査は、弁護人等からの信書であることの確認
にとどめるものとされている(法135条2項1号)。東京拘置所では、平日
の夜間、土・日曜及び祝日であっても、弁護人等から被告人に対する信書が
到達した場合には、当該被告人に信書が交付される運用がされているところ、
本件文書は、控訴趣意書の案であり、弁護人等からの信書と同程度の検査が
されれば足りるのであって、特段の人員配置等を要するものでもない。
ウ さらに、東京拘置所の職員は、原告から、控訴趣意書の提出期限が迫って
おり、本件文書の差入れが認め

主文(判決文より)

1 被告は、原告に対し、2万2000円及びこれに対する令和
2年2月15日から支払済みまで年5分の割合による金員を支
払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用はこれを6分し、その5を原告の負担とし、その余
を被告の負担とする。
4 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。た
だし、被告が1万4000円の担保を供するときは、その仮執
行を免れることができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。