発信者情報開示請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和3(ワ)24416
判決日2022-07-07
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文著作権法10条1項1号
当事者被告 株式会社NTTドコモ

この事件の代理人

  • 河瀬季(原告代理人)/東京弁護士会
  • 上田雅大(被告代理人)/第二東京弁護士会

争点(判決文より)

争点
(1) 本件発信者情報の「権利の侵害に係る発信者情報」該当性(争点 1)
(2) 本件投稿による原告の権利侵害の明白性(争点 2)
ア 原告の本件文書に係る著作権の有無(争点 2-1)
イ 適法な引用の抗弁の成否(争点 2-2)
(3) 発信者の電話番号及び電子メールアドレスの開示を受けるべき正当な理由
の有無(争点 3)
3 争点に関する当事者の主張
(1) 争点 1(本件発信者情報の「権利の侵害に係る発信者情報」該当性)
〔原告の主張〕
本件投稿がされたツイッターにおけるツイート(投稿)の仕組みは、利用者が設
定したアカウントにログインし、次に、ログインされた状態でツイートするという
ものである。このため、侵害情報そのものに当たるツイートの送信に、ログイン情
報の送信は不可欠である。
また、法 4 条 1 項は、「権利の侵害に係る発信者情報」とやや幅をもたせた規定と
なっており、侵害情報そのものから把握される発信者情報だけではなく、侵害情報
に関して把握される発信者情報であれば、これを開示することも許容していると解
される。さらに、ログイン情報の送信に割り当てられた IP アドレスから把握される
発信者情報であっても、当該侵害情報の発信者のものと認められるのであれば、そ
の開示は不当ではないと解される上、開示対象となる発信者情報は総務省令で定め
るものに限定されており、いたずらに拡大されないように定められている。以上か
らすると、上記のように解することが、加害者の特定を可能にして被害者の権利の
救済を図るという法 4 条 1 項の趣旨にも合致するといえる。
本件投稿に用いられたアカウント(以下「本件アカウント」という。)には「(省
略)」というハンドルネームが用いられているところ、これは、複数人が管理するこ
とを想定させるようなものではない。また、別紙発信者情報目録記載 1 の No.1 及び
No.2 にかかる「接続元 IP アドレス」欄記載の各 IP アドレス(以下「本件接続元 IP
アドレス」という。)によるログイン日時(令和 3 年 6 月 23 日及び同月 25 日)に近
接する同月 30 日頃にも、本件アカウントでは、「既に債務超過だったようだし関係
者の皆様としては引き取ってもらえてよかったのでは。Cさん GJ。」、「C(省略)
の株式取得 @(以下省略)より」、「こうして穏やかに再編されていくのは良きこと
かと存じます。Cの PMI に要するコストがいかほどかは存じません。」などとCに
言及するツイートを繰り返しており、本件記事と同様の話題につき同一の考えに基
づく投稿がされている。他方、その投稿の体裁は砕けたものであり、集団として(省
略)に関する情報を発信する様式とはいえず、私信に過ぎない性質を強く有してい
る。これらのことから

主文(判決文より)

1 被告は、原告に対し、別紙発信者情報目録記載の各情報を開示
せよ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。