事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和3(ワ)23647 |
| 判決日 | 2022-08-29 |
| 分類 | 行政 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 国家賠償法1条1項、憲法13条、憲法14条1項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は、①健康増進法29条1項2号及び30条(本件規定)の憲法 適合性(争点1)、②本件規定に係る立法行為(本件立法行為)の国家賠償法 上の違法性(争点2)並びに③本件立法行為によって原告に生じた損害の有無 及び額(争点3)であり、これらに関する当事者の主張は、以下のとおりであ る。 ⑴ 本件規定の憲法適合性(争点1) (原告の主張) ア 本件規定の憲法13条適合性 本件規定は、飲食店を含む第二種施設において、喫煙専用室及び喫 煙関連研究場所を除き、喫煙を禁ずるものである。喫煙専用室において は飲食ができず、特に紙巻きたばこについては、加熱式たばこのような 例外規定も設けられていないこと、飲食店は喫煙関連研究場所に当たら ないことからすれば、本件規定は、紙巻きたばこの喫煙者に対し、「喫 煙を楽しみながら飲食を行う自由」を一律に制限するものといえる。 ところで、憲法13条は、国民の権利や自由を包摂する包括的な権利 を規定するものであり、法令が個人の自由に不合理な制約を加えた場合 には、当該法令は憲法13条に違反するとの評価を受けるものと解され る。そして、このような憲法13条適合性の判断は、①立法目的が正当 であり、かつ、②規制手段について、立法目的を達成するためにより制 限的でない他に選び得る手段がないかどうかによって審査されるべきで ある(いわゆるLRAの基準)。 本件規定の立法目的は、受動喫煙の防止であるところ、受動喫煙を 防止する必要性があることは当然であり、原告もこれを否定するもので はない。しかし、その目的を達成するための規制手段について、立法目 的を達成するためにより制限的でない他に選び得る手段が存在するので あるから、本件規定は憲法13条に違反する。 すなわち、上記 で述べたとおり、本件規定は、「喫煙を楽しみなが ら飲食を行う自由」を一律に制限するものであるが、店舗内に喫煙専用 室を設置することによる分煙という方式ではなく、喫煙専用店舗の存在 を認め、経営者に店舗の形式を自由に選択させるという手段を採用すれ ば、受動喫煙防止という立法目的を達成しつつ、「喫煙を楽しみながら 飲食を行う自由」に対する一律の制限も避けることができる。 イ 本件規定の憲法14条1項適合性 憲法14条1項は、法の下の平等を定めており、法的な差別的取扱いを 禁止している。 本件規定は、非喫煙者に対して、「受動喫煙を回避しながら飲食を楽し む自由」を認める一方、喫煙者に対しては、「喫煙を楽しみながら飲食を 行う自由」を制約するものであって、非喫煙者と喫煙者とを法的に区別 して取り扱っている。そして、本件規定について、立法目的を達成する ために、より制限的でない他に選び得る手段がないとはいえないことは、 上記ア で述べたとおりであるから、上記法的区別に合理的な根拠があ
主文(判決文より)
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。