事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成26(行コ)64 |
| 判決日 | 2014-10-30 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は,本件各更正処分等の適法性,具体的には次の2点である。 ① 控訴人が相続により取得した本件各減価償却資産に係る償却費の計算に おいて,簡便法に基づき算出した耐用年数を用いることができないか(争 点1)。 ② 本件各更正処分等に理由附記の不備がないか(争点2)。 (2) 争点に関する当事者の主張は,後記4のとおり当審における控訴人の補充 主張を付加するほかは,原判決の「事実及び理由」の「第2 事案の概要」 の4の(1)及び(2)(原判決7頁13行目から13頁10行目まで)に記載の とおりであるから,これを引用する。 4 当審における控訴人の補充主張 (1) 争点1(本件各減価償却資産の耐用年数)について ア 租税法律主義は,今日の複雑な経済社会において,各種の経済上の取引 や事実の租税効果について十分な法的安定性と予測可能性とを保障し得る ような意味内容を与えられなければならないのであり,その内容の一つと して課税要件明確主義がある。また,税法は,侵害規範(国民に負担を求 める規範)の代表的なものであり,法的安定性の要請が強く働くから,そ の解釈,特に租税実体法の解釈は,文理解釈を基本として行われなければ ならず(最高裁平成22年3月2日判決・民集64巻2号420頁参照), みだりに拡張解釈や類推解釈を行うことは許されない。 そこで,省令3条1項の「取得」という文言についてみると,文理解釈 としては,「取得」とは「資産の所有権の移転」をいうものと解するのが 自然であるところ,民法上は「相続」もまた「資産の所有権の移転」が生 ずる場合の一つであるから,省令3条1項にいう「取得」には相続による 取得も当然に含まれるものと解すべきである。この点につき,千葉地裁平 成17年12月6日判決は,施行令120条1項1号にいう「取得」に相 続による承継取得が含まれるかが争われた事案において,これを肯定する 判断をしており,この判断は控訴審,上告審においても維持されている。 しかも,上記の事件においては,被控訴人(国)自身も,同号にいう「取 得」には相続による承継取得が含まれると主張していたのである。これら の判断及び主張は,本件で問題とされている省令3条1項の「取得」の解 釈についても同様に当てはまる。 控訴人は,本件各減価償却資産の償却費を計上するに際し,法49条2 項,施行令129条及び省令3条1項の規定を確認し,これらの規定の文 言に沿って,耐用年数を算定の上,償却費を計算したのである。控訴人に 限らず,納税者(及びその税務代理人である税理士)は,法規の文言に則 って税負担を把握し,納税義務を履行するのであるから,それにもかかわ らず,税務当局が法規の文言を無視した解釈をすることは,課税要件明確 主義に反し,納税者から税負担の予測可能性を奪う結果を招くもので
主文(判決文より)
1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。