損害賠償金請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和4(ワ)3313
判決日2022-09-08
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文民法709条、著作権法114条3項
当事者原告 エス・アンド・ケー株式会社

この事件の代理人

  • 柳田康男(被告代理人)/第一東京弁護士会

争点(判決文より)

争点及び争点に係る当事者の主張
原告の損害額
【原告の主張】
原告は、デザイン制作会社に対し、本件画像のデザイン制作業務等の委託契約の
対価として約 700 万円を支払った。また、原告は、同デザイン制作会社に対し、デ
ザインのコンセプトに至るまでの相談料も支払う必要があった。このほか、本件商
品の製造販売元から提供された製品説明の翻訳、広告画像を制作するに当たり用意
したデータ、商品の写真撮影等のために支払った諸費用等を考慮すると、本件画像
を利用するに当たって原告が受けるべき金額(著作権法 114 条 3 項)は、ウェブサ
イト 1 ページ当たり 6 万 6666 円を下らない。
被告は、本件画像を 11 ページ分掲載したため、原告の損害額は 73 万 3326 円(=
6 万 6666 円×11 ページ)となる。
仮に、著作権法 114 条 3 項に基づく原告の損害額が認められないとしても、原告
は、令和 3 年 1 月 1 日~同年 6 月 30 日の間、被告の著作権侵害によって売上が前
年同期比で 26%減少したため、この売上減少額が原告の損害額となる。
【被告の主張】
原告が提出する証拠によれば、大手新聞社の写真ですら 1 か月当たりの使用料金
は 2000 円弱~3500 円程度である。したがって、仮に本件画像の利用料に相当する
損害があるとしても、その限度にとどまる。
また、被告のビジネスモデルは、顧客から注文を受けるとその都度注文された商
品を原告から定価で購入し、注文者に転売するというものである。このため、仮に
原告の売上が減少したとしても、被告による著作権侵害との間には因果関係がない。
第 3 当裁判所の判断
1 原告の損害額について
(1) 本件画像は、商品その他の画像を利用するなどして、本件商品の特徴を分か
りやすく伝える工夫を凝らして制作されたものといえる。また、被告が被告ストア
に掲載した本件画像の数は少なくない。
もっとも、前記前提事実(第 2 の 1(3))のとおり、被告が本件画像を掲載したと
認められるのは令和 3 年 3 月 3 日頃~同年 4 月 14 日頃の間であって、比較的短期
間にとどまる。また、前記前提事実(第 2 の 1(2))のとおり、本件画像は、本件商
品の宣伝に用いることを目的とし、これに沿って、本件商品のセールスポイント、
本件商品が選ばれる理由、本件商品を購入した場合の特典についての各説明と本件
商品各種の個別の商品の写真からなるものである。そのため、本件画像は、本件商
品を宣伝するために本件共通画像 7 枚と当該商品に対応する本件個別画像を適宜組
み合わせて利用することを想定して制作されたものといえる。すなわち、被告によ
る本件画像の利用態様は、本件商品ごとに異なる本件個別画像を掲載したことを考
慮

主文(判決文より)

1 被告は、原告に対し、5 万円及びこれに対する令和 3 年 4 月 14
日から支払済みまで年 3%の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は、これを 15 分し、その 1 を被告の負担とし、その余
を原告の負担とする。
4 この判決は、第 1 項に限り、仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。