事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和1(ワ)18281 |
| 判決日 | 2022-09-15 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 会社法355条、民法719条1項 |
| 当事者 | 原告 ACA株式会社/被告 株式会社アルメディオ |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点 (1) 被告Aの原告に対する忠実義務違反及び競業避止義務違反の有無(争点 1) (2) 被告会社の被告Aとの共同不法行為の成否(争点 2) (3) 原告の損害発生の有無及び損害額(争点 3) 3 争点に対する当事者の主張 (1) 争点 1(被告Aの原告に対する忠実義務違反及び競業避止義務違反の有無) 〔原告の主張〕 ア 原告は、その設立当初から、高額の資金を投下して炭素繊維やこれを含有す る炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を粉砕した粉末を製造・販売し、これらの粉 末を利用したマスターバッチ及び機能性素材を開発する事業に取り組み、独自の炭 素繊維の粉砕技術と分散技術を用いて、平成 29 年 6 月までに、炭素繊維のナノファ イバーチップの開発に成功した。また、原告は、同年 7 月には、炭素繊維ミルドの 粒子サイズを目的に合わせて作り、マスターバッチ、ドライパウダー、ペースト、 リキッド、チップ等、ユーザーの加工方法、加工機に合わせた形状で提供可能な商 品の開発を進めていた。さらに、原告は、ナノサイズの炭素繊維の製造技術の開発 研究を進めて独自のノウハウを蓄積し、同年 12 月には、アスペクト比(短辺と長辺 の比率)を保持したままで炭素繊維を繊維径 300nm 以下、繊維長 1µm~20µm のサ イズに粉砕したカーボンナノワイヤーを製造する方法に関して本件特許出願をした。 なお、原告が製造していた炭素繊維の粉末は、製品の製造過程で生じた CFRP の端 材から製造するものに限られず、新品の炭素繊維を用いた純度の高いものも含まれ る。 加えて、原告は、その開発する炭素繊維の粉砕技術、分散技術に係る営業活動等 も積極的に行ってきた。具体的には、平成 29 年 4 月頃に経済産業省の担当官と面談 をし、開発状況を説明して原告の技術の独創性を認識してもらい、また、平成 30 年 11 月には、業界紙「プラスチックス」において、炭素繊維のナノファイバー(短繊 維の炭素繊維粉末)を製造・開発する技術が紹介されるなどしている。 被告Aは、このような原告において、代表取締役在任中、炭素繊維の粉砕、分散、 再生等の事業につき技術面で中心的な役割を担ってきた者である。このため、被告 Aは、原告に対し、原告の炭素繊維の粉砕・分散に関する技術、ノウハウが他社に 流出し、利用されることのないようにする取締役としての忠実義務(会社法 355 条) を負っていた。 ところが、被告Aは、原告代表取締役在任中の平成 30 年頃以降、原告に秘匿して 被告会社と顧問契約を結び、技術指導として、原告が資金、労力をかけて開発して きた炭素繊維の粉砕・分散技術やノウハウを、原告に無断で被告会社に提供し、そ の対価として顧問料の支払を受けていた。すなわち、被告会社が当時抱えていた課 題は、炭素繊
主文(判決文より)
1 被告らは、原告に対し、連帯して160万円及びこれに対する被 告会社は令和元年8月9日から、被告Aは同月10日から、いずれも 支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用は、これを30分し、その1を被告らの負担とし、その 余を原告の負担とする。 4 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。