損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和3(ワ)30051
判決日2022-09-28
分類民事 / その他
判決種別判決
判決文が挙げた条文民法709条、著作権法6条

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
(1) 本件番組の放送により原告の人格権が侵害されたか(争点1)
(2) 損害の発生及びその額(争点2)
3 争点に関する当事者の主張
(1) 争点1(本件番組の放送により原告の人格権が侵害されたか)について
(原告の主張)
放送法で定められた公共の放送事業者である被告が、故意に、原告文章を
無断転載することにより制作した本件番組を全国放送したことにより、原告
の平穏な日常が阻害され、原告は、これに対応するために金銭的及び時間的
な負担を負い、精神的苦痛を被った。
すなわち、本件番組は、公共の放送事業者たる被告により全国に向けて放
送されたものであり、相当数の視聴者が存在したところ、本件番組の内容に
興味を持った視聴者が、インターネットで検索し、検索結果の上位に表示さ
れる原告ウェブサイトを閲覧することが考えられる。そして、このような視
聴者は、原告ウェブサイトにおいて、本件ナレーション等とほぼ同一の内容
の原告文章を見て、被告が無断転載をするはずがないと考え、原告ウェブサ
イトが無断転載をしていると疑う可能性があり、よって、名誉毀損が生じる
可能性を否定できない。
また、将棋の対局マナーは、多くのウェブサイトや書籍等において取り上
げられているテーマであるが、誰が記載しても同じになるというものではな
い。特に、原告文章を含む原告ウェブサイト中の文章は、将棋及び執筆の豊
富な経験を基に、閲覧者のレベルを考慮し、なるべく一般的な用語を用いて、
端的に、正確に、誤解が生じにくく、分かりやすく、面白いものとなるよう
に配慮して作成されたものであるから、独自性が高い。そのため、他のウェ
ブサイト等の独自性のない文章であれば、本件ナレーション等と「似ている」
と思われるにとどまるのに対し、原告文章であれば、独自性が高いため,本
件ナレーション等を「コピペしている」などと思われる可能性がある。
以上によれば、原告は、本件番組の放送により、人格権を侵害されたとい
うべきである。
なお、原告は、原告文章に係る著作権及び著作者人格権の侵害を主張しな
い。
(被告の主張)
原告の主張はいずれも争う。
最高裁平成21年(受)第602号同23年12月8日第一小法廷判決・民
集65巻9号3275頁は、著作権法6条「各号所定の著作物に該当しない
著作物の利用行為は、同法が規律の対象とする著作物の利用による利益とは
異なる法的に保護された利益を侵害するなどの特段の事情がない限り、不法
行為を構成するものではないと解するのが相当である」とする。原告は、著
作権及び著作者人格権が侵害されたことを主張せず、上記「著作物の利用に
よる利益とは異なる法的に保護された利益」が侵害されたことも具体的に主
張立証しないので、原告の主張が失当であることは明らかである。
また、原告は、名誉毀損が生じる

主文(判決文より)

1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。