損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和2(ワ)3931
判決日2022-10-06
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文民法709条
当事者原告 株式会社中日新聞社/被告 首都圏新都市鉄道株式会社

この事件の代理人

  • 田中 豊(原告代理人)/東京弁護士会
  • 富田純司(被告代理人)/第一東京弁護士会

争点(判決文より)

争点に対する当事者の主張
本件イントラネット掲載記事と原告が著作権を有する記事(争点1)
(原告の主張)
新聞記事は、一般に、記者による取り上げる事実の選択、情勢分析、評価、
文章上の工夫等が加えられていて、思想、感情が創作的に表現されているから、
著作物性が認められる。本件イントラネットに掲載された原告従業員が執筆し
た記事は、平成30年度掲載記事も含めて、職務著作として原告が著作権を保
有している。
被告が平成30年3月までに本件イントラネットの掲示板に掲載した具体
的な記事は、被告が情報を保有していないことを理由に開示しないために不明
である。しかし、被告は、平成30年4月から平成31年3月31日までの1
年間において、原告が著作権を有する記事の複製物136本(記事177、1
85、215については2本分の記事が掲載されたため2本とカウントする。)
を本件イントラネットに掲載し、1か月当たり平均11本程度の記事を利用し
ていた。平成17年9月1日から平成30年3月31日までの間も同様の頻度
で原告の記事を不正に利用していたはずであり、このことは、被告経営企画広
報課長のC(以下「C」という。)が、令和元年5月28日に、原告が発行する
新聞記事からの上記1年間の使用量はそれ以前の十数年間の使用量と同様で
あるかとの質問に対して、「ほぼ同じような状況。大きなぶれはない。」と回答
していることからも裏付けられる。損害賠償請求に当たって、被侵害記事を原
告が個別具体的に主張立証する必要はない。
(被告の主張)
平成30年度掲載記事のうち、記事1、5、51、57、64、106、1
47を除く記事は、いずれも著作物性があることを争う。これらの記事の多く
は、「事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道」に当たり、原告が具体的にど
こに創作性があるのかを明示しない限り著作物であることについての主張責
任を果たしたとはいえない。原告は、新聞社に対して提供された事実(情報)
を新聞記事としているが、このとき各新聞社に提供された事実(情報)そのま
まの新聞記事が著作物に当たらないことはもちろん、提供された事実(情報)
に原告が何らか加工したとしても、加工によって直ちに当該記事が著作物にな
るものではない。時事問題を扱っている週刊誌や月刊誌は、事実の分析を行い、
評価を加えるなどされていることが多く、著作物に当たる記事が多いといえる
が、新聞の記事はこれと異なる。
原告は、平成17年9月1日から平成30年3月31日までについては、被
侵害記事を個別に特定しておらず、侵害行為の主張立証責任を全く果たしてい
ない。
上記期間の本件イントラネット掲載記事の数についての原告の主張は否認
する。本件イントラネットに掲載する件数について取り決めはなく、平成30
年4月1日以降についても、月

主文(判決文より)

1 被告は、原告に対し、192万3000円及び内137万4000円に対する
平成30年4月1日から支払済みまで、内別紙損害金計算表の各「損害額」欄記
載の額に対する各「遅延損害金起算日」欄記載の日から支払済みまで、内15万
円に対する平成31年4月17日から支払済みまで、各年5分の割合による金員
を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用はこれを20分し、その1を被告の負担とし、その余を原告の負担と
する。
4 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。