不正競争行為差止等請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和2(ワ)32931
判決日2022-10-25
分類知的財産 / 不正競争
判決種別判決
当事者原告 SMC株式会社/被告 Airtac株式会社

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
(1) 品質誤認表示該当性の有無
(2) 営業上の利益侵害のおそれの有無
(3) 故意・過失の有無
(4) 損害の有無及び損害額
3 争点に係る当事者の主張
(1) 品質誤認表示該当性の有無
【原告の主張】
次のとおり、有効断面積は電磁弁の品質である流量を表す重要な値であるため、
本件表示は被告製品の品質について誤認させるような表示に当たる。
ア 空気圧システムを設計する際には、電磁弁等の空気圧制御機器の流量特性を
適切に把握しておくことが重要である。電磁弁の流量特性についての選定を誤ると、
所定の出力が得られないだけでなく、空気圧制御が不安定にもなりかねない。その
意味で、電磁弁の流量は電磁弁の品質そのものであり、流量を表す有効断面積は電
磁弁の品質を表す重要な値である。
このことは、被告自身、本件カタログに「優れたバルブの内部構造により、有効
断面積を増大させ、流量をアップさせることができます」と記載して、有効断面積
の増大やそれによる流量の増加を訴求していることからも裏付けられる。
イ エアシリンダの機種選定手順を示した原告の資料では有効断面積について言
及がないが、同資料は様々なタイプのエアシリンダの中で最適なタイプを絞り込む
ためのプロセスを記載したものにすぎない。各機種の基本性能については、有効断
面積が記載された製品カタログ等によって把握されることが想定されている。その
ため、同資料の記載は、有効断面積が空気圧制御機器の品質を表す重要な値である
ことと矛盾しない。
【被告の主張】
次のとおり、有効断面積は被告製品の品質に結び付いて商品選定に影響する値で
はなく、本件表示は被告製品の品質について誤認させるような表示には当たらない。
ア 専門的・科学的見地から見た場合、有効断面積は電磁弁の品質に関係する重
要な要素といえる。しかし、品質誤認表示に当たるか否かは、専門的・科学的見地
を基準とするのではなく、平均的な取引者の認識を基準として考えるべきである。
電磁弁の平均的な取引者・需要者は工場経営者等であるところ、工場経営者等は、
購入する電磁弁の決定に当たってはシリンダとの適合性や価格等を重視しており、
必ずしも有効断面積に着目しているわけではない。
原告は、原告の製品であるエアシリンダの機種選定手順を示した資料を作成して
いるところ、同資料には有効断面積についての言及がない。これは、顧客の製品選
択において有効断面積が重視されていないことを端的に表すものである。
イ 被告が有効断面積の増大や流量の増加について明示的に記載したのは、本件
カタログにおいてのみである。しかも、同記載は、電磁弁の内部構造を変更すると
有効断面積が増大するという一般論を述べたものにすぎない。被告が強く訴求して
いるのは他社製品との互換性、価格、サイズ等であって、有効

主文(判決文より)

1 被告は、原告に対し、15 万円及びこれに対する令和 3 年 1 月 22
日から支払済みまで年 3%の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は、これを 200 分し、その 3 を被告の負担とし、その
余を原告の負担とする。
4 この判決は、第 1 項に限り、仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。