強制わいせつ致傷被告事件

事件の基本情報

裁判所大阪高等裁判所
事件番号平成26(う)980
判決日2015-02-13
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は,(1)Aが強制わいせつの被害にあ
ったか否か(事件性),(2)被告人が犯人であるか(犯人性),(3)仮に,被告
人が有罪の場合は量刑,と整理されたことが認められる。これらからすると,被告人
が原判示の時刻に本件店舗を訪れていたこと及びAが本件店舗を飛び出してその直後
にタクシーに乗ったことは,原審の公判前整理手続で主張されていた事実である一方,
争点に関する判断の前提となる事実や間接事実,A供述の信用性の評価方法,あるい
は用いるべき経験則等を限定するような整理はされていない。そもそも,証拠の評価
やどのような経験則等を用いるかは,本来,裁判所が判断すべき事項であって,当事
者の主張に必ずしも拘束されるものではない。そうすると,所論指摘の点が,当事者
主義違反や争点逸脱認定であるとはいえない。
②についてみると, 所論指摘の原判決の説示は,量刑理由中でされたものである
ところ,証拠上,被告人が事前に犯意を抱いていたとまでは認められないことからそ
のように説示したものであることは明らかである。また,所論指摘の検察官の主張自
体,本件犯行時に,交際を求めたものの断られ,犯行に及んだ旨いうものであって,
被告人がAに対する強制わいせつ行為を計画していたというものではない。したがっ
て,「酒に酔った上,Aの言動をきっかけに衝動的に行われた」との原判決の認定は,
当事者主義違反や争点逸脱認定であるとはいえない。
論旨は理由がない。
第2 事実誤認の主張について
論旨は,要するに,原判決は,被告人が,本件店舗内において,Aの両肩を両手で
つかみ,抵抗するAともみ合いになる中,その身体を床に押し倒し,履いていたタイ
ツ及びショーツを脱がせて下半身を露出させるなどのわいせつな行為に及び,その際,
一連の暴行により,Aに約1週間の通院加療を要する右下腿打撲傷,右大腿打撲傷の
傷害を負わせた事実を認定しているが,被告人は,Aに対し,そのような強制わいせ
つ行為をしていないから,原判決には判決に影響を及ぼすことが明らかな事実誤認が
ある,というのである。
本件公訴事実は,被告人が,両手でAの両肩をつかんでその身体を揺さぶるなどし
た上,両手でAの身体を床に押し倒して,仰向けになったAの両肩を床に押さえつけ,
さらに,Aが履いていたタイツ及びショーツを脱がせるなどの暴行を加え,左手で着
衣の上からAの乳房を揉むとともに,その陰部を手指で弄ぶなどし,もって強いてわ
いせつな行為をし,その際,一連の暴行により,Aに前記傷害を負わせたというもの
であるところ,原判決は,Aの原審証言には疑問を抱かざるを得ない部分が少なくな
いものの,原判示の限度では信用できるとして,原判示の事実を認定している。しか
し,その認定は論理則,経験則等に照らして不合理であるといわざるを得ない。以下

主文(判決文より)

原判決を破棄する。
被告人は無罪。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。