発信者情報開示請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和4(ワ)5416
判決日2022-11-15
分類民事 / 著作
判決種別判決
当事者被告 ソフトバンク株式会社

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
(1) 本件発信者情報の「権利の侵害に係る発信者情報」該当性(争点 1)
(2) 本件投稿による原告の権利侵害の明白性(争点 2)
ア 原告動画の著作物性及び原告の著作権の有無(争点 2-1)
イ 公衆送信権侵害の有無(争点 2-2)
(3) 発信者情報の開示を受けるべき正当な理由の有無(争点 3)
3 争点に関する当事者の主張
(1) 争点 1(本件発信者情報の「権利の侵害に係る発信者情報」該当性)
〔原告の主張〕
ア 本件サイトに投稿するためには、利用者は、名前、メールアドレス及びパス
ワードなどを登録してアカウントを作成し、同アカウントにログインした上で、ロ
グインを継続する必要がある。このため、アカウントにログインする人物が投稿者
である蓋然性が高い。
ところで、TikTok 社は、本件サイトへの投稿時の個別のアクセスログ(IP アドレ
ス、タイムスタンプ)を保存していない上、投稿した場合も、投稿された記事には
投稿の日付が表示されるにとどまり、投稿時刻は表示されない。そのため、他に直
前のログインではないことをうかがわせる事情がない限り、TikTok 社が本件投稿の
直前のログイン時のものとして開示した協定世界時 2021年 7月 11日 22時 26分 07
秒(日本標準時:令和 3 年 7 月 12 日 07 時 26 分 07 秒)に使用された本件 IP アドレ
スが、本件投稿直前に本件サイトにログイン(本件ログイン)された際の IP アドレ
スであるといえる。
イ 仮に本件ログインが本件投稿直前のログインではなく本件投稿後のログイン
であったとしても、本件 IP アドレスから把握される発信者情報も「権利の侵害に係
る発信者情報」に該当する。すなわち、法 4 条 1 項は、「権利侵害時の発信者情報」
など、権利を侵害する行為の際に使用された発信者情報に限定する旨の規定をする
ことなく、「権利の侵害に係る発信者情報」と規定している。「係る」の語意に照ら
すと、法 4 条 1 項の「権利の侵害に係る発信者情報」とは、侵害情報が発信された
際の発信者情報に限定されず、権利侵害との結び付きがあり、権利侵害者の特定に
資する通信から把握される発信者情報、すなわち、ログイン情報を送信した際に把
握される発信者情報も含まれるというべきである。
前記のとおり、本件サイトに動画を投稿する際にはアカウントの作成及びこれへ
のログインが必要となるところ、本件アカウントについては、ログインに必要なパ
スワード、電話番号、電子メールアドレスなどが第三者と共有されていることをう
かがわせる事情は見当たらない。したがって、本件アカウントに本件 IP アドレスを
使用してログインした者は、本件投稿の発信者と同一人物と推認される。TikTok 社
から開示された本件アカ

主文(判決文より)

1 被告は、原告に対し、別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せよ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。